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コンピュータの仕組み06

ATX電源
ATX電源

 家庭やオフィスには100Vまで電圧は下がってきています。しかしコンピュータから見るとまだまだ高電圧でしかも交流なので使えません。そこでコンピュータの箱の中で電圧を低くして使えるようにしています。

 電圧を下げる方法としてトランスを使う方法がありましたがこの方法には大きな欠点がありました。トランスが非常に重く多くの金属を必要とすることです。鉄に銅線を大量に巻かなければならないので大きい容量を得ようとすると重量が嵩んでしまうのです。これではコンピュータが必要とする電力を安価で軽量な装置で提供することができません。

 この問題を解決したのはスイッチング電源と呼ばれるものです。家庭用交流電源を直接整流して直流にし、その電気を使って高周波を発振させます。この高周波を高周波トランスを使って電圧を下げてからまた直流にします。この時発振をうまく制御して目的の電圧まで下げます。高周波トランスは電源トランスよりも周波数が高い範囲を目的としているので大幅に小型化できます。スイッチング電源は部品数が多くなりますが従来の電源トランスを使わないため小さなパソコンの中に収納することができるようになったのです。

 発電所からパソコンの中まで電気が到達する様子を簡単に追ってきましたが何度も何度も変換を繰り返してコンピュータが必要とする電圧まで下げてきました。この社会インフラとそれを成し遂げる技術があるからこそ情報機器が発展し普及していったことがよくわかります。