神戸大学、即興演奏とは本当に即興なのか？ –言語化されない様々なルールを解明–

神戸大学が即興演奏の「隠れルール」を解明

神戸大学は2024年11月11日午前5時、音楽における即興演奏に関する画期的な研究成果『即興演奏とは本当に即興なのか？ –言語化されない様々なルールを解明–』を発表しました。

即興演奏の「謎」

即興演奏は、その場で音楽を紡ぎ出す芸術形態です。しかし、一見すると自由奔放に見える即興演奏にも、実はさまざまな「ルール」が存在することが長年指摘されてきました。これらのルールは言語化されず、奏者自身も意識していないことが多いとされています。

研究の成果

神戸大学の研究チームは、ジャズミュージシャンの即興演奏を分析し、言語化されていないルールを解明しました。主な発見は以下の通りです。

リズムの「同期」：即興演奏においては、奏者同士のリズムが自然と「同期」し、安定したグルーヴを形成します。
メロディのパターン：即興演奏では、限られた数のメロディパターンが繰り返し使用されています。これらのパターンは、ジャンルや奏者の個人差によって異なります。
ハーモニーの制約：即興演奏では、特定のハーモニー進行に従う傾向があります。この制約は、演奏者が事前に共有する知識や、ジャンル固有の慣習に基づいています。

言語化されていない「コード」

これらのルールは、演奏者同士の間で暗黙の了解として存在する「コード」のようなものであると研究チームは考えています。これらのコードは、即興演奏が単なる即興ではなく、一定の規則に従った創造的な行為であることを示しています。

音楽の理解の新たな地平

この研究成果は、音楽の理解に新たな地平を開きます。即興演奏のルールを明らかにすることで、演奏者だけでなく聴衆も、より深く音楽を鑑賞することができるようになります。また、音楽の認知や創造性に関する研究にも貢献が期待されます。