欧州議会が大切な決定！ ロシアとベラルーシの農産物にもっと高い税金をかけることに賛成しました
みなさん、こんにちは。欧州議会で、私たちの日々の暮らしや、世界の状況に関わる大切な話し合いが行われています。今回ご紹介するのは、2025年5月15日に行われた、ロシアとベラルーシからEU（ヨーロッパ連合）に入ってくる農産物に関する新しいルールについてのニュースです。
欧州議会の議員さんたちは、これらの国々からの特定の農産物、例えば私たちが普段食べる穀物や、油のもとになる種、そしてお砂糖などに、もっと高い「関税（かんぜい）」という税金をかけることに、賛成しました。
なぜ、このような新しいルールが必要なの？
この決定には、いくつかの理由があります。
- ロシアが戦争を続けるためのお金を減らすため: 今、ウクライナでは大変な状況が続いています。ロシアは、自分たちの国のものを売って得たお金を、戦争に使うための費用にしていると言われています。農産物の輸出も、そのお金の一部になっています。そこで、EUはロシアが戦争を続ける力を弱めるために、農産物からの収入を減らそうと考えたのです。
- EUの農家さんを守るため: ロシアやベラルーシから安い値段で農産物がたくさん入ってくると、EUの中で農業をしている農家さんたちが困ってしまうことがあります。今回の高い関税は、EUの市場が混乱したり、不公平な競争が起きたりするのを防ぐことにもつながります。
- ウクライナへの応援を示すため: ウクライナは、ロシアによる侵攻を受けて、農産物の輸出が難しくなったり、農業自体が大変な状況になったりしています。EUはウクライナを応援しており、今回の措置は、ウクライナとの連帯を示す意味合いも持っています。
- ベラルーシも対象にした理由: ロシアが制裁を逃れるために、友好国であるベラルーシを経由して農産物を輸出する可能性も考えられます。それを防ぐために、ベラルーシからの農産物も同じように高い関税の対象とされたのです。
具体的にどんなことが決まったの？
今回の決定で、ロシアやベラルーシからEUに輸入される穀物、油糧種子、そしてそれらを加工した製品や砂糖などに、非常に高い関税がかけられることになります。
どれくらい高いかというと、実質的にこれらの輸入品がEUの市場に入ってくるのが、ほとんどできなくなるくらいのレベルです。これは、事実上、これらの農産物の輸入をストップさせるための措置と言えます。
欧州議会では、この新しいルールについて話し合いが行われ、たくさんの議員さんたちが賛成しました。具体的には、545人の議員さんが賛成、47人が反対、45人が意見を保留（棄権）しました。これは、非常に多くの議員さんがこの措置が必要だと考えていることを示しています。
これからどうなるの？
欧州議会で賛成されても、すぐに新しいルールが始まるわけではありません。次に、EUに加盟しているそれぞれの国の代表が集まる「EU理事会」という場で、最終的な承認を得る必要があります。理事会で承認されれば、いよいよこの高い関税が実施されることになります。
これまでのEUの取り組みと今回の位置づけ
EUは、ロシアがウクライナを侵攻して以来、ロシアに対して様々な種類の制裁を行ってきました。たとえば、ロシアの銀行との取引を制限したり、ロシアからエネルギーを輸入することを減らしたり、ロシアの特定の人々の資産を凍結したりと、多岐にわたります。
今回の農産物に対する措置は、これまでの制裁に加えて、ロシアの収入源をさらに断つための一歩と言えます。特に、農業はロシアにとって無視できない産業であり、そこからの収入を制限することは、ロシアの経済に影響を与える可能性があります。
また、EUはウクライナからの農産物については、一時的に関税をなくして、ウクライナの経済を支援する措置も同時に行っています。今回のロシア・ベラルーシへの措置は、ウクライナを支援しつつ、加害者であるロシア・ベラルーシには厳しい姿勢で臨むという、EUの考え方を改めて示すものです。
まとめ
欧州議会が、ロシアとベラルーシからの農産物に対して高い関税をかけることに賛成したことは、ウクライナへの連帯を示し、ロシアの戦争遂行能力を弱め、そしてEU域内の農業市場を安定させるための、大切な一歩です。
これからEU理事会での承認を経て、実際にこの措置が始まることになります。世界情勢や、私たちの食卓にも関わるこの動きを、引き続き注目していきましょう。平和な世界が一日も早く戻ってくることを願っています。
Press release – MEPs back new tariffs on Russian and Belarusian agricultural goods
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