英国で新しい一歩！「精密育種」で未来の食卓が変わる？ 新しい法律が公開されました
皆さん、こんにちは！ 英国で、私たちの食卓や農業の未来に影響を与えるかもしれない、新しい法律が発表されました。
英国の法律情報を公開しているウェブサイト「UK New Legislation」で、2025年5月15日の午前6時18分に、『The Genetic Technology (Precision Breeding) Regulations 2025』（遺伝子技術（精密育種）規則 2025）という名前の新しい規則が正式に公開されたのです。
難しそうな名前ですが、これは一体どんな内容なのでしょうか？
「精密育種」って、なあに？
この法律の中心にあるのが「精密育種（Precision Breeding）」という技術です。
私たちは昔から、おいしい野菜や病気に強い作物を作るために、品種改良を続けてきました。例えば、たくさんのリンゴの中から、たまたま甘くて丈夫なリンゴの木を見つけて増やしたり、違う種類の作物を掛け合わせたりする方法です。
精密育種は、この品種改良を、最新の技術を使って、もっとピンポイントで、正確に行えるようにしたものです。
例えるなら、作物の「設計図」である遺伝子の中で、「この部分をほんの少し変えれば、病気にかかりにくくなるな」という場所を見つけたら、そこに狙いを定めて、まるで文字を書き換えるように遺伝子を調整するイメージです。
これまでの「遺伝子組み換え（GMO）」と少し違うのは、外から他の生き物の遺伝子をまるごと持ってきて加えるのではなく、もともと持っている遺伝子を少しだけ編集したり、働かせ方を変えたりすることが多い点です。これは、自然に起こる突然変異に近い変化を、人工的に、早く、狙い通りに起こせる技術と言えます。
なぜ、この新しい規則ができたの？
英国では、この精密育種という技術に大きな期待を寄せています。
- 食料をもっと安定して作るため: 地球温暖化や病気など、農業を取り巻く環境は厳しさを増しています。精密育種で作られた、病気に強く、少ない肥料や水でも育つような作物ができれば、安定して食料を供給できるようになります。
- 環境に優しい農業のため: 病気に強い品種ができれば、農薬を使う量を減らせるかもしれません。また、より効率よく栄養を吸収できる品種なら、肥料の使用量を減らすことにも繋がります。
- 私たち消費者にとってもメリットが？: 将来、アレルギーの原因となる物質が少ない食品や、栄養価がさらに高い食品、あるいは長く新鮮さを保てる食品などが開発される可能性も考えられます。
英国はEUを離脱したことで、独自の農業や食品に関するルールを決めることができるようになりました。EUでは遺伝子組み換え技術には厳しい規制がありますが、英国は精密育種を従来のGMOとは分けて考え、この技術を農業や食品産業で積極的に活用していこうとしています。
今回の『The Genetic Technology (Precision Breeding) Regulations 2025』は、2023年に英国で成立した「Genetic Technology (Precision Breeding) Act」という、精密育種に関する大きな法律に基づいて作られた、より具体的な手続きやルールを定めたものです。
これによって、精密育種によって作られた植物や動物、そしてそこから作られる食品について、どのように研究開発を進めるか、市場に出すためにはどんな手続きが必要か、などが明確になります。
今後、どうなるの？
この新しい規則によって、英国では精密育種技術の研究開発や実用化がさらに進むと予想されます。農家さんが新しい品種を使い始めたり、将来的にスーパーに並ぶ食品の種類が変わったりする可能性もあります。
もちろん、新しい技術には慎重な意見もあります。安全性についてきちんと確認していくことや、消費者が選べるように表示をどうするのか、といった議論も引き続き大切でしょう。
今回の規則の公開は、英国が精密育種技術を未来の食料生産の重要な柱の一つとして位置づけ、そのための環境整備を進めていることを示しています。
少し難しい法律の話でしたが、これは私たちの食べるものや、食料が作られる方法に深く関わる、大切なニュースです。今後、この技術がどのように農業や私たちの生活に影響を与えていくのか、注目していきたいですね。
英国の公式な法律情報サイトで公開されたこの規則は、まさにその一歩を示すものと言えるでしょう。
The Genetic Technology (Precision Breeding) Regulations 2025
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