富山大学、脳梗塞再発予防の新戦略を発表！軽度な血管狭窄でもリスクを予測し、手術で予防効果が期待できる可能性, 富山大学

富山大学、脳梗塞再発予防の新戦略を発表！軽度な血管狭窄でもリスクを予測し、手術で予防効果が期待できる可能性

富山大学が、脳梗塞の再発予防に関する重要な研究成果を発表しました。2025年4月24日、ホームページで公開された「脳梗塞再発を予防する！プラーク性状に基づいた症候性内頚動脈軽度狭窄症(50%未満)の予後と外科治療の意義 MUSIC研究」というタイトルのニュースリリースです。

脳梗塞、他人事じゃない！

脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまう病気。手足が動かしにくくなったり、言葉が出にくくなったりと、後遺症が残ることもあります。一度脳梗塞を起こした人は、再発のリスクが高いため、予防がとても重要です。

軽度な血管の狭窄でも要注意！？

今回の研究で注目されたのは、「症候性内頚動脈軽度狭窄症」という状態。これは、脳に血液を送る太い血管である内頚動脈が、50%未満と軽度に狭くなっている状態です。これまで、このような軽度の狭窄は、あまり問題視されていませんでした。

しかし、富山大学の研究チームは、軽度の狭窄でも、血管の壁にできた「プラーク」と呼ばれる脂肪の塊の性質によっては、脳梗塞の再発リスクが高まることを発見しました。

プラークの性質がカギ！

プラークには、安定したプラークと不安定なプラークがあります。不安定なプラークは、破れやすく、それが原因で血栓ができ、脳梗塞を引き起こす可能性があると考えられています。

今回の研究では、MRIなどの画像検査でプラークの性質を詳しく調べ、不安定なプラークを持つ患者さんは、そうでない患者さんと比べて、脳梗塞の再発リスクが高いことが明らかになりました。

手術で予防できる可能性も！

さらに、研究チームは、不安定なプラークを持つ患者さんに対して、外科手術（内頚動脈血栓内膜剥離術）を行うことで、脳梗塞の再発を予防できる可能性があることも示唆しました。

今後の展望：より効果的な予防へ

今回の研究成果は、軽度な内頚動脈狭窄症の患者さんに対する、より効果的な脳梗塞予防戦略を立てる上で重要な情報となります。

今後は、今回の研究成果を基に、どのような患者さんに手術が有効なのか、手術以外の治療法も含めて、さらに詳しい研究を進めていくことが期待されます。

私たちにできること

今回の研究成果は、私たちにとっても他人事ではありません。

定期的な健康診断を受ける: 血圧やコレステロール値など、脳梗塞のリスクを高める要因を早期に発見し、対策を講じることが大切です。
生活習慣を見直す: バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、健康的な生活習慣を心がけましょう。
気になる症状があれば、早めに医師に相談する: 手足のしびれ、言葉のもつれ、視力の変化など、脳梗塞の疑いがある症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

富山大学の研究成果は、脳梗塞に苦しむ人々にとって、希望の光となるかもしれません。今後の研究の進展に期待するとともに、私たち自身も、脳梗塞予防のためにできることを実践していきましょう。