有機半導体における電子相関の発達を初めて観測, 東京大学

東大が有機半導体の新たな可能性を発見！暮らしを大きく変える未来の技術に光

東京大学の研究グループが、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めた、有機半導体という材料に関する重要な発見を発表しました。発表日は2025年4月10日。一体どんな発見なのでしょうか？わかりやすく解説します。

有機半導体って何？

まず、半導体とは、電気を通したり通さなかったりする性質を持つ材料のことです。パソコンやスマートフォンなど、私たちの身の回りの電子機器には欠かせない部品に使われています。

一方、「有機」とついているのは、この半導体が炭素を主成分とする有機化合物でできているからです。従来の半導体（シリコンなど）と比べて、軽く、柔らかく、そして低コストで作れるというメリットがあります。

今回の発見のポイント

今回の東大の研究グループの発表は、この有機半導体の中での「電子相関」という現象を初めて観測したというものです。

電子相関って何？: 電子は、マイナスの電気を帯びた小さな粒です。この電子同士は、お互いに反発し合ったり、引き合ったりする力を持っています。この電子同士の相互作用のことを「電子相関」と呼びます。
電子相関が重要ってどういうこと？: 有機半導体の中では、電子相関がとても強く働くことがあります。この強い電子相関を利用することで、従来の半導体にはない、新しい機能を持つデバイスを作れる可能性があるのです。例えば、より高速なコンピューターや、より効率的な太陽電池などが考えられます。
今回の発見のすごさ: これまで、有機半導体における電子相関の存在は理論的に予測されていましたが、実際に観測された例はありませんでした。今回の研究は、特殊な有機半導体材料を開発し、最先端の測定技術を用いることで、初めて電子相関の発達を捉えることに成功したのです。

この発見がもたらす未来

今回の発見は、有機半導体の研究開発を大きく加速させる可能性があります。

フレキシブルなデバイス: 有機半導体は柔らかいので、曲げたり折りたたんだりできるディスプレイや、体に貼り付けられるセンサーなど、従来の電子機器にはなかった新しい形のデバイスが実現するかもしれません。
高性能な太陽電池: 有機半導体を使った太陽電池は、低コストで大量生産できる可能性があります。今回の発見を活かして、より効率的に太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換できる太陽電池が開発されれば、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献できるでしょう。
新しいコンピューティング: 電子相関を利用した新しい原理に基づくコンピューティング技術が開発されれば、現在のコンピューターよりもはるかに高速で、省エネルギーなコンピューターが実現するかもしれません。

まとめ

東京大学の研究グループによる今回の発見は、有機半導体の可能性を大きく広げる画期的な成果です。この発見をきっかけに、有機半導体の研究開発がさらに進み、私たちの生活を豊かにする新しい技術が生まれることが期待されます。

補足情報

ニュースリリースでは、具体的な有機半導体材料や測定技術に関する詳細な情報が記載されています。興味のある方は、東京大学のウェブサイトでニュースリリースを確認してみてください。
有機半導体は、まだ研究開発の段階にある技術ですが、そのポテンシャルは非常に大きいと考えられています。今後の研究開発の進展に注目しましょう。