ジャイロイド金属有機構造体における圧電転移を発見, 東京大学

東京大学、不思議な形をした「ジャイロイド金属有機構造体」で電気を起こす現象を発見！

東京大学の研究チームが、まるで迷路のような不思議な形をした物質「ジャイロイド金属有機構造体（MOF）」を使って、圧力を加えることで電気が発生する現象「圧電転移」を発見しました。この発見は、2025年3月24日に東京大学から発表されました。

まず、「金属有機構造体（MOF）」とは、金属の原子と有機物の分子が規則正しく組み合わさってできた、スポンジのような構造を持つ物質です。たくさんの小さな穴があいているため、様々な分子を吸着したり、化学反応を促進したりする性質があり、近年注目を集めています。

今回注目されたのは、その中でも特に複雑な形をした「ジャイロイド」と呼ばれる構造を持つMOFです。ジャイロイドは、自然界にも存在する複雑な形をしており、今回のMOFは、まるで小さな迷路が無限に繋がっているようなイメージです。

圧電転移とは、物質に圧力を加えることで電気が発生する現象です。身近な例としては、ライターの着火装置や、スマートフォンのタッチパネルなどにも利用されています。圧力を電気エネルギーに変換できるため、様々な応用が期待されています。

これまでにも、圧電性を持つMOFはいくつか報告されていましたが、今回の研究で用いられたジャイロイドMOFは、これまでとは異なるメカニズムで圧電転移を起こすことがわかりました。

今回の研究で、ジャイロイドMOFに圧力を加えると、その複雑な構造がわずかに変形し、それによって内部の電荷分布が偏ることがわかりました。この電荷の偏りが、電気を発生させる原因になっていると考えられています。

特に、ジャイロイド構造の「ねじれ」が重要な役割を果たしていると考えられており、このねじれが圧力によって変化することで、効率的に電荷を偏らせることができるようです。

今回の発見は、以下の点で注目されています。

新しい圧電材料の可能性: ジャイロイドMOFは、従来の圧電材料とは異なるメカニズムで圧電転移を起こすため、新しいタイプの圧電材料として期待できます。
柔軟なエネルギーハーベスティング: MOFは比較的柔軟な素材であるため、曲げたり伸ばしたりするような場所でも発電できる可能性があります。
環境に優しいエネルギー源: 圧電現象は、太陽光発電のように特別な設備を必要とせず、身の回りの振動や圧力などを利用して発電できるため、環境に優しいエネルギー源として注目されています。

具体的な応用例としては、以下のようなものが考えられます。

今回の研究は、ジャイロイドMOFの圧電特性という新たな可能性を示しました。今後は、さらに詳しいメカニズムの解明や、実用化に向けた材料開発が進められることが期待されます。

もしかしたら、近い将来、私たちが身につけている服や靴が、私たちの動きに合わせて電気を作り出し、様々なデバイスを動かすようになるかもしれません。今回の発見は、そんな未来を想像させてくれる、わくわくするニュースです。

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東京大学が2025-03-24 12:00に『ジャイロイド金属有機構造体における圧電転移を発見』を公開しました。このニュースを関連情報を含めて優しい文章で詳細な記事を書いてください。