ペロブスカイト太陽電池の発電効率を向上させる電子輸送層の成膜用インクを開発～従来型のインクより約1.5倍の高発電効率を実現～, 三菱マテリアル

三菱マテリアル、次世代太陽電池「ペロブスカイト」を大きく進化させる新技術を開発！

三菱マテリアルが、未来のエネルギーを担うと期待される「ペロブスカイト太陽電池」の性能をグッと向上させるための新しい技術を開発しました。2025年3月24日に発表されたこの技術は、太陽電池の発電効率を大きく左右する「電子輸送層」という部分を作るための特殊なインクに関するものです。

まず、ペロブスカイト太陽電池について簡単に説明しましょう。これは、従来のシリコンを使った太陽電池よりも薄くて軽く、しかも製造コストを抑えられる可能性がある、次世代の太陽電池として注目されているものです。まるで印刷のように作れるので、様々な場所に取り付けられる柔軟性も魅力です。

今回三菱マテリアルが開発したインクは、ペロブスカイト太陽電池の「電子輸送層」という部分に使われます。この層は、太陽光によって生まれた電気を効率よく取り出すための、いわば電気の通り道のような役割をしています。

この新しいインクを使うことで、従来の方法で作られた太陽電池よりも、なんと約1.5倍も高い発電効率を実現できるようになったのです！つまり、同じ大きさの太陽電池でも、より多くの電気を作れるようになったということです。

今回のインクの秘密は、特別な材料と、それを均一に塗るための技術にあります。電子輸送層の材料をナノレベルで細かく分散させ、均一に塗ることで、電気の流れをスムーズにし、発電効率を高めているのです。

より効率的な発電: 同じ面積でより多くの電気を作れるため、太陽光発電の効率が向上します。
低コスト化の可能性: ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン太陽電池よりも製造コストを抑えられる可能性があります。今回の技術も、その可能性をさらに広げるものです。
様々な場所で発電: 薄くて軽いペロブスカイト太陽電池は、建物の壁や窓、車の屋根など、様々な場所に取り付けることができます。

三菱マテリアルは、今回の技術をさらに発展させ、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて研究開発を進めていくとしています。この技術が広く使われるようになれば、私たちの生活はよりクリーンで持続可能なエネルギーで満たされるかもしれません。

今回の発表は、地球温暖化対策やエネルギー問題の解決に貢献する、大きな一歩となることが期待されます。