金融庁、特定目的信託財産の計算ルール改正を発表
2025年2月4日、金融庁は「特定目的信託財産の計算に関する規則の一部を改正する内閣府令（案）」を公表しました。この改正案は、特定目的信託財産の計算方法の見直しと明確化を目的としています。
背景
特定目的信託とは、特定の目的のために設立される信託制度です。金融商品取引法では、特定目的信託財産は、特定の資産のみを含み、その資産の評価額が信託財産の総額とみなされます。
従来の計算ルールでは、特定目的信託財産の評価額は、原則としてその資産の取得価額に基づいて計算されていました。しかし、この計算方法では、資産の価値変動を正確に反映できない場合がありました。
改正の内容
今回の改正案では、特定目的信託財産の計算方法を次の3つに変更します。
- 時価評価の採用: 資産が上場株式や債券などの時価評価が可能な場合には、時価に基づいて評価する。
- 取得価額に基づく評価の維持: 不動産やプライベートエクイティなど、時価評価が困難な資産については、取得価額に基づく評価を維持する。
- 会計基準に準じた評価の導入: 信託財産が投資信託や私募ファンドに投資している場合には、会計基準に準じた評価方法を採用する。
影響
この改正案は、特定目的信託の計算方法をより柔軟かつ正確なものにすることが期待されています。これにより、投資家が特定目的信託の価値をより正確に把握できるようになるだけでなく、金融機関の業務効率化やリスク管理の向上にも貢献すると考えられます。
スケジュール
改正案はパブリックコメントを経て、2025年4月1日に施行される予定です。
「特定目的信託財産の計算に関する規則の一部を改正する内閣府令（案）」について公表しました。
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