鳥取大学の研究チームが光制御可能な微小管「超」構造体の構築に成功
鳥取大学は2025年1月24日、ペプチド融合タンパク質を使用して、光で制御できる微小管「超」構造体を構築することに初めて成功したと発表しました。この画期的な研究により、分子ロボットの操作などのナノ材料への応用が期待されています。
微小管と光制御
微小管は、細胞内の構造や運動に不可欠な、中空の円筒構造タンパク質です。微小管の制御は、細胞内のプロセスを理解し、操作するために重要です。しかし、従来の微小管制御方法は、化学的または機械的な刺激に依存しており、光による制御は実現されていませんでした。
ペプチド融合タンパク質の活用
鳥取大学の研究チームは、微小管と光制御可能なタンパク質である光受容体タンパク質を融合した「ペプチド融合タンパク質」を開発しました。このタンパク質を微小管に結合させると、微小管は特定の波長の光に反応するようになります。
光による微小管「超」構造体の制御
研究チームは、このペプチド融合タンパク質を使用して、さまざまな形状の微小管「超」構造体を構築しました。そして、光照射によってこれらの構造体の形状や運動を制御できることを実証しました。例えば、光を照射すると、微小管「超」構造体が束になって動き、光を遮断すると元に戻るという挙動を示しました。
ナノ材料への応用
この光制御可能な微小管「超」構造体は、分子ロボットの操作や薬物の運搬などのさまざまなナノ材料への応用が期待されています。例えば、光を照射することで分子ロボットの形状や運動を制御し、特定の細胞や部位に送達することができます。さらに、薬物を微小管「超」構造体に搭載することで、光照射によって患部に薬物を標的輸送することができます。
今回の研究は、「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。鳥取大学は、この研究を基にさらなる応用研究を進め、ナノ材料分野のさらなる発展に貢献することを目指しています。
ペプチド融合タンパク質により構築した微小管「超」構造体の光制御に初めて成功〜光刺激を用いた分子ロボットの操作などのナノ材料への応用に期待〜
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