東京大学、セントロメアが速く進化するしくみ

東京大学が「セントロメアの急速な進化の秘密」を解明

発表の概要

2025年1月7日、東京大学は「セントロメアが速く進化するしくみ」と題した研究成果を公開しました。セントロメアとは、細胞分裂の際に染色体を分離するために重要な領域のことです。この研究では、セントロメアが高速で進化し続ける仕組みが明らかになりました。

研究の背景

すべての生物の染色体は、遺伝情報を格納しています。細胞分裂の際には、これらの染色体が正確に分配される必要があります。この分配を担うのがセントロメアです。しかし、セントロメアは他の染色体領域と比べて、驚くほど速い速度で進化しています。その理由については、これまで謎に包まれていました。

研究の成果

東京大学の研究チームは、セントロメアが急速に進化する原因として、次の2つのメカニズムを特定しました。

1. エピジェネティック修飾の再利用：エピジェネティック修飾とは、DNA配列に影響を与えずに遺伝子発現を制御する仕組みです。研究チームは、セントロメア以外の領域のエピジェネティック修飾が、新たなセントロメアに転用されることを発見しました。
2. 非コードRNAの関与：非コードRNAとは、タンパク質をコードしないRNAです。研究チームは、特定の非コードRNAが、セントロメアの形成と維持に関与することを突き止めました。

関連情報

• 研究は、科学誌「Nature」に掲載されました。
• 研究の責任者は、東京大学の小林雅生教授です。
• セントロメアは、細胞分裂における染色体分離だけでなく、細胞分裂の異常、染色体異常、がんの発生にも関与しています。

まとめ

東京大学の研究成果は、セントロメアの急速な進化の謎を解明しました。この研究は、染色体生物学の理解を深めるとともに、細胞分裂の異常やがんの治療法の開発に役立つことが期待されています。

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