東京大学、アルツハイマー治療薬の画期的な製造方法を発表
東京大学は2024年12月29日、アルツハイマー治療薬をより効率的かつ環境に優しい方法で製造する新しい技術「連続フロー法」の開発を発表しました。
連続フロー法とは
連続フロー法は、原料を反応装置に連続的に供給し、反応を連続的に行う方法です。従来の製造方法とは異なり、一度に大量の原料を反応させるのではなく、少量の原料を連続的に反応させるため、以下の利点があります。
- 反応条件の厳密な制御
- 副生成物の低減
- スケールアップが容易
アルツハイマー治療薬の製造への応用
今回、東京大学が発表した技術は、アルツハイマー治療薬「ドネペジル」の製造に連続フロー法を採用したものです。従来の製造方法では大量の有機溶媒が必要でしたが、連続フロー法では有機溶媒の使用量を大幅に削減できました。
この削減は、環境への影響を軽減するだけでなく、製造コストの削減にもつながります。さらに、連続フロー法により、製造プロセスがより効率化され、品質の高いドネペジルを安定的に生産することが可能になりました。
カーボンニュートラル社会への貢献
有機溶媒の使用量を削減することで、この製造技術はカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。有機溶媒は製造プロセスにおいて温室効果ガスを発生させるため、その使用量を減らすことで、製造業における環境負荷を低減できます。
今後の展開
東京大学はこの製造技術を他の医薬品にも適用することを検討しています。また、製造技術の特許化も申請しており、今後、製薬業界での実用化が期待されています。
この画期的な技術の開発は、アルツハイマー病の治療法の進歩だけでなく、医薬品製造の持続可能性の向上にもつながると期待されています。
カーボンニュートラル社会でのクスリづくり：連続フロー法を用いるアルツハイマー治療薬の製造
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