名古屋工業大学が画期的な装置を開発
名古屋工業大学は、2024年12月26日、結晶と非晶質の区別なく、元素まわりの構造を可視化できる革新的な装置の開発に成功したと発表しました。
蛍光X線ホログラフィーとX線異常散乱を組み合わせ
この装置は、蛍光X線ホログラフィーとX線異常散乱複合計測技術を組み合わせたものです。蛍光X線ホログラフィーは、特定の元素から発せられたX線のわずかな位相差を検出し、元素の分布をマッピングします。一方、X線異常散乱は、特定の元素の共鳴吸収を利用して、その周囲の電子分布を明らかにします。
元素まわりの構造を可視化
2つの技術を組み合わせることで、この装置は結晶性や非晶質性にかかわらず、特定の元素まわりの原子配列や結合状態を可視化することができます。従来の技術では、結晶性材料のみを対象にしていましたが、この装置は、ガラスやポリマーなどの非晶質材料の構造解析にも活用できます。
材料科学と生命科学に貢献
この画期的な装置は、材料科学と生命科学に大きな影響を与えると期待されています。材料科学では、新材料の開発や材料の欠陥解析に役立ちます。生命科学では、タンパク質や核酸などの生体分子の構造をより詳細に調査できます。
研究の成果
名古屋工業大学の研究チームは、この装置を使用して、非晶質シリコン中のゲルマニウムの原子構造を可視化することに成功しました。これは、非晶質材料の構造解析における画期的な成果です。
今後の期待
今後、この装置は、材料科学や生命科学の分野で幅広く応用されると期待されています。元素まわりの構造可視化という新しいツールにより、材料の設計と創出、生物学的プロセスの理解がさらに進むことが期待されます。
結晶・非晶質によらず選んだ元素まわりの構造可視化に成功～蛍光X線ホログラフィー・X線異常散乱複合計測装置を開発～
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