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ジャガイモやトマトに潜む、毒を作り出す鍵酵素の発見
神戸大学は、ジャガイモやトマトなどのナス科植物が毒素を作り出す仕組みを解明しました。この発見は、植物が病原菌や害虫から身を守る化学防御のメカニズムだけでなく、植物自身の自己毒性回避のメカニズムにも光を当てています。
鍵となる酵素の発見
研究チームは、ジャガイモやトマトの葉に含まれる「ソラニン」と呼ばれる毒素の合成に関わる鍵となる酵素を発見しました。この酵素は「ソラノシンシンターゼ」(SQS)と名付けられました。
SQSは、ソラノシンという前駆体からソラニンを作る反応を触媒します。ソラニンは、病原菌や害虫に有害な毒性物質です。
化学防御と自己毒性の回避
SQSの発見は、ナス科植物が病原菌や害虫から身を守るための化学防御の仕組みを明らかにします。植物が病原菌や害虫に感染すると、SQSが活性化され、毒性のあるソラニンを生産します。
ただし、植物自身もソラニンなどの毒素の影響を受けないよう、巧妙なメカニズムを備えています。研究チームは、植物がSQSを隔離し、他の部分に広がるのを防ぐタンパク質を発見しました。この隔離メカニズムにより、植物は化学防御のメリットを得ながら、自己毒性を回避しています。
農業への応用
この発見は、農業分野でも重要な意味を持ちます。農作物の種子や果実に毒素が蓄積するのを防ぐことで、収穫量の向上や食品の安全性向上につながる可能性があります。また、植物の化学防御メカニズムを強化することで、病害虫への耐性を高める新しい品種の開発にもつながるでしょう。
結論
神戸大学の研究により、ジャガイモやトマトなどのナス科植物が毒素を作り出す鍵となる酵素が明らかになりました。この発見は、植物の化学防御と自己毒性回避のメカニズムを理解し、農業分野での応用にも役立てられる、重要な進歩です。
ジャガイモやトマトの毒を作り出す鍵酵素を発見 –化学的防御と自己毒性回避のメカニズムが明らかに–
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