核融合炉「パリュエル」、2024年11月22日に公開予定
フランスの原子力研究開発機関であるCEAは、2024年11月22日14:00に、建設中の核融合炉「パリュエル」を公開すると発表しました。
パリュエルとは
パリュエルは、核融合によるエネルギー生産の研究開発を目的とした大型実験施設です。核融合とは、水素原子と重水素原子を高温と高圧で衝突させてヘリウム原子とエネルギーを発生させる反応です。この反応は、太陽や星でも発生しています。
パリュエルは、核融合反応を閉じ込めて持続的に発生させるための「トカマク型」と呼ばれる装置です。巨大なドーナツ状の真空容器の中で、強力な磁場と電場を使ってプラズマを生成し、閉じ込めます。
核融合の重要性
核融合は、地球温暖化や資源枯渇などの世界的な課題の解決に貢献する可能性を秘めています。核融合反応は膨大なエネルギーを発生させ、しかも温室効果ガスや放射性廃棄物をほとんど生成しません。
パリュエルの役割
パリュエルは、核融合炉の開発における重要なマイルストーンとなります。この施設では、以下のような研究が行われます。
- 核融合反応の制御と維持
- プラズマの安定化
- 核融合炉の材料の試験
- トリチウム（三重水素）の生成と回収
公開の詳細
パリュエルの公開は、一般公開とマスコミ向けの見学ツアーの両方で行われます。公開では、以下のような内容が展示されます。
- パリュエルの施設と構成部品
- 核融合のしくみ
- パリュエルの研究における進捗状況
- 核融合がもたらす将来の可能性
今後の予定
パリュエルの公開後、CEAは2026年から核融合反応の実験を開始する予定です。実験は数年間続き、核融合炉の設計と建設に必要なデータを収集することを目的としています。
パリュエルの公開は、核融合エネルギーへの期待が高まる中、重要なマイルストーンとなります。この施設は、クリーンで無限のエネルギー源の開発に向けての重要なステップであり、世界的なエネルギー問題の解決に貢献する可能性を秘めています。
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