昆虫飼料でマダイの養殖に成功
大阪府立環境農林水産総合研究所が発表
大阪府立環境農林水産総合研究所は2024年11月15日、昆虫であるアメリカミズアブの幼虫を飼料としてマダイを養殖し、出荷サイズまで成長させることに成功したと発表しました。
背景
近年、漁業資源の枯渇や水質汚染などにより、水産養殖における持続可能性が課題となっています。従来、水産養殖では魚粉などの海洋資源由来の飼料が使用されていますが、この飼料は環境に負荷がかかるという問題がありました。
昆虫飼料の利点
アメリカミズアブ幼虫は、タンパク質や必須アミノ酸が豊富で、養殖飼料として適しています。さらに、昆虫飼料は海洋資源に依存せず、環境に優しいという利点があります。
養殖の実験
研究所は、約1000匹のマダイの稚魚を昆虫飼料と従来の魚粉飼料のグループに分けて飼育しました。結果、昆虫飼料グループのマダイは、魚粉飼料グループと同等の成長率を示し、約2年後に400g以上の出荷サイズに達しました。
味や品質に影響なし
昆虫飼料で養殖されたマダイの味は、魚粉飼料で養殖されたマダイと比較して有意な差はありませんでした。また、身の品質にも影響はなく、鮮度や弾力は良好でした。
今後の展望
この研究成果は、持続可能な水産養殖に貢献することが期待されています。研究所は、昆虫飼料の生産効率を向上させ、養殖コストを削減するための研究を続ける予定です。また、他の魚種への応用や、昆虫飼料を用いた養殖システムの開発も検討されています。
関連情報
- 大阪府立環境農林水産総合研究所:https://www.pref.osaka.lg.jp/oshirase/sonota/ogu/renraku/sesetu/kankyo.html
- アメリカミズアブ:https://www.jpmoth.org/Sphingidae/Manduca_sexta.html
[農林][報道]昆虫・アメリカミズアブでマダイを出荷サイズまで養殖できました
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