国連事務総長、COP29で「損失と被害」の資金提供を重視するよう各国に要請
2024年11月12日、国連事務総長のグテーレス氏は、気候変動に関する第29回締約国会議（COP29）において、各国に対して気候変動による「損失と被害」への資金提供を重視するよう強く求めています。
損失と被害とは、気候変動の影響によって生じる不可避的な損失や被害のことです。たとえば、海面上昇による沿岸の土地の喪失や、極端気象によるインフラの破壊などが含まれます。
グテーレス氏は、気候変動の影響から特に脆弱な途上国は、損失と被害に対応するための資金を切実に必要としていると述べました。多くの途上国は、気候変動を招く温室効果ガス排出にほとんど貢献していないにもかかわらず、その影響を最も強く受けています。
グテーレス氏は、各国に対して、損失と被害のための限定的な資金提供の提供を検討するように呼びかけました。この資金は、気候変動の影響に対処するための適応策や回復力構築に充てられます。
関連情報
- COP29は、2024年11月6～18日にアラブ首長国連邦のドバイで開催されています。
- 損失と被害に関する資金提供問題は、気候変動交渉で長期にわたって議論されてきました。
- 世界銀行によると、気候変動による損失と被害のコストは、今後数十年で年間2兆5,000億ドルに上ると推定されています。
- いくつかの先進国は、損失と被害への資金提供に取り組み始めています。たとえば、ドイツは2022年に1億7,500万ドルの資金を提供しました。
影響
グテーレス氏の要請がCOP29でどの程度反映されるかはまだ不明です。しかし、損失と被害への資金提供を重視することは、気候変動の影響を最も強く受ける国々を支援する上で重要な一歩となります。
COP29: Guterres urges countries to ‘get serious’ on loss and damage funding
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