田辺三菱製薬、パーキンソン病治療薬候補品の米国開発計画を変更
田辺三菱製薬は2024年11月1日、開発中のパーキンソン病治療薬候補品であるND0612の米国における開発計画を変更したと発表しました。
変更の内容
ND0612の米国における開発計画は、フェーズ2臨床試験(安全性と有効性を評価する臨床試験)から開始する予定でしたが、フェーズ1b臨床試験(薬物の安全性を評価する臨床試験)に変更されました。
変更の理由
田辺三菱製薬によると、この変更は、フェーズ1a臨床試験(薬物の安全性を評価する臨床試験)の結果に基づいて行われたものです。フェーズ1a臨床試験では、ND0612は忍容性良好で、安全性上の懸念事項は確認されませんでした。
しかし、薬物の血中濃度が期待よりも低かったため、フェーズ2臨床試験を開始するには、さらに安全性と薬物動態を評価する必要があります。そこで、フェーズ1b臨床試験を追加して、薬物の適切な用量や投与スケジュールを特定することにしました。
今後の予定
田辺三菱製薬は、2025年上半期にフェーズ1b臨床試験を開始する予定であり、2026年上半期に結果が得られる見込みです。フェーズ1b臨床試験の結果を踏まえて、今後の方針を検討します。
パーキンソン病について
パーキンソン病は、脳内の神経細胞が損傷され、運動の制御やバランスに障害が出る進行性の神経変性疾患です。主な症状には、振戦、筋固縮、運動緩慢などがみられます。現在、パーキンソン病を治す治療法はありませんが、症状を緩和する薬物治療などが行われています。
ND0612について
ND0612は、パーキンソン病を引き起こす神経細胞の死を抑制することが期待されている新薬候補品です。これまでに行われた臨床試験では、安全性と忍容性が良好であることが示されています。
田辺三菱製薬は、米国での開発計画の変更にもかかわらず、パーキンソン病の新しい治療法の開発に引き続き取り組んでいくとしています。
【ニュースリリース】パーキンソン病治療薬候補品・ND0612の米国における開発計画の変更について
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