大阪公立大学が20年間の永久凍土森林のCO2動向を観測
大阪公立大学は、シベリア東部の永久凍土の針葉樹林で20年間の二酸化炭素（CO2）の放出と吸収量の観測結果を発表しました。
永久凍土とは？
永久凍土とは、2年以上凍ったままの土壌です。シベリアのような高緯度地域に多く分布しています。永久凍土には大量の有機物が保存されており、永久凍土が融解するとこれらの有機物が分解され、CO2が放出されます。
観測結果
研究チームは、シベリア東部のラーマ川の流域で2002年から2022年まで観測を行い、以下の結果を得ました。
- 永久凍土の針葉樹林は、10月～4月の間にCO2を吸収し、5月～9月の間にCO2を放出しています。
- 20年間の合計では、吸収量が放出量を上回り、この森林はCO2の吸収源として機能しています。
- ただし、観測期間の後半には、放出量が増加しており、気候変動による永久凍土の融解により、この森林が将来CO2の放出源になる可能性が示されています。
温暖化の影響
気候変動により、永久凍土が融解し、凍結していた有機物が分解されてCO2を放出することが懸念されています。この観測結果は、シベリアの永久凍土森林が、気候変動によりCO2の放出源に転換する可能性を示しています。
関連情報
- この研究は、科学誌「Global Change Biology」に掲載されました。
- 大阪公立大学の研究チームは、長期にわたるシベリアの生態系観測を継続しています。
- 永久凍土の融解は、気候変動の重要なフィードバックプロセスであり、大気中のCO2濃度の増加に寄与する可能性があります。
温暖化が永久凍土の森林へ与える影響は？ CO2放出・吸収量の推移を20年間観測
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