大阪大学名誉教授の河田聡氏が文化功労者に選出
大阪大学は2024年10月29日、名誉教授の河田聡氏が令和6年度の文化功労者に選出されたと発表しました。文化功労者は、国が文化の進展に対して特に顕著な業績を挙げた者を表彰する制度です。
河田氏は、半導体レーザーにおける基礎研究やデバイス技術の開発に先駆的な貢献をしたことで知られています。1990年代初頭には、世界で初めて連続波発振するイオンプランテーション型量子井戸レーザーを実現し、短波長化や高出力化にも成功しました。
さらに、レーザーの新しい応用分野を創出する「光エレクトロニクス」の概念を提唱し、その基礎技術の確立に尽力しました。これらの功績により、河田氏は2002年に文化勲章を受章しています。
文化功労者への選出について、河田氏は以下のようにコメントしています。
「この度の選出は、光エレクトロニクス分野の研究が社会に評価されたことを意味し、大変光栄です。今後も若い研究者と共に、より豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。」
河田聡氏の経歴
- 1946年 鹿児島県生まれ
- 1970年 大阪大学工学部卒業
- 1975年 大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了
- 1975年 大阪大学助手
- 1979年 大阪大学講師
- 1983年 大阪大学助教授
- 1991年 大阪大学教授
- 2012年 大阪大学退職、同名誉教授
河田氏は、電子情報通信学会、日本物理学会、応用物理学会などの学会で要職を歴任し、半導体レーザーに関する研究で多くの賞を受賞しています。また、海外でも高い評価を得ており、アメリカ光学会（OSA）のフェローにも選出されています。
河田氏の文化功労者への選出は、大阪大学および日本の科学技術界にとって大きな名誉です。河田氏の今後の活躍に期待が寄せられています。
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