東京大学、結核菌のゲノム解析で病原性との関連を解明
東京大学は2024年10月28日午後3時、「結核菌ゲノムの遺伝的多様性の包括的解析と病原性との関連」という研究成果を発表しました。
結核菌とは
結核菌は、結核病を引き起こす細菌です。結核病は世界中で蔓延しており、毎年約150万人が死亡しています。結核菌は、肺に感染することが最も多く、咳、発熱、体重減少などの症状を引き起こします。
研究の概要
今回の研究では、研究チームは世界中の1,000株を超える結核菌のゲノムを解析しました。ゲノムとは、生物の遺伝情報をすべて含んだ一連のDNAです。
解析の結果、研究チームは、結核菌のゲノムにはかなりの遺伝的多様性があることがわかりました。この多様性は、地域や宿主によって異なることが判明しました。
病原性との関連
さらに研究チームは、ゲノム上の特定の変異が結核菌の病原性、つまり病気の重症度と関連していることも発見しました。
たとえば、特定の変異を持つ結核菌は、より重度の結核病を引き起こす傾向があることがわかりました。また、別の変異を持つ結核菌は、薬剤耐性になる可能性が高いことがわかりました。
研究の意義
この研究成果は、結核病の診断、治療、予防に役立つ可能性があります。研究チームは、ゲノム解析により、結核菌の病原性を予測し、より効果的な治療法の開発につなげることができるとしています。
また、この研究は、結核菌の進化と世界的な拡散の理解を深めることにも貢献します。
関連情報
- 東京大学プレスリリース：https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/
- 結核病に関する世界保健機関（WHO）のウェブサイト：https://www.who.int/health-topics/tuberculosis
- 結核予防会ウェブサイト：https://www.jata.or.jp/
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