神戸大学が流体の乱れの新たな境目を発見
発表日: 2024年10月25日 13:00 研究機関: 神戸大学
神戸大学は、流体（液体や気体）が乱れるか乱れないかの新たな境目を発見したと発表しました。この発見は、複雑流体による流体輸送の省エネルギー化や流体制御に貢献する可能性があります。
従来の流体の乱れに関する理解
これまで、流体が乱れるかどうかはレイノルズ数と呼ばれる無次元パラメータによって決まると考えられてきました。レイノルズ数が1を超えると流体は乱れ、1未満では層流となります。
神戸大学の発見
しかし、神戸大学の研究チームは、流体が乱れるかどうかはレイノルズ数だけでなく、「非ニュートン粘性」と呼ばれる流体の性質によっても影響を受けることを発見しました。
非ニュートン粘性は、流体が一定の粘度を持たない性質のことです。例えば、ドロドロとした液体では、速度が高いほど粘度が低下します。
新たな乱れの境目
研究チームは、非ニュートン粘性を考慮した新しい乱れの境目を導き出しました。この境目は、レイノルズ数だけでなく、「ワイセンベルグ数」と呼ばれる別の無次元パラメータも考慮しています。
ワイセンベルグ数は、流体の弾性的な性質を表すパラメータです。弾性的な流体は、形を変えると元の形に戻ろうとします。
省エネルギー化への応用
この発見は、流体輸送の省エネルギー化に役立つ可能性があります。乱れた流体はエネルギーのロスにつながるため、流体の乱れを抑制することでエネルギーを節約することができます。
流動制御への応用
また、この発見は流動制御にも応用できます。乱れた流体を制御することで、薬品混合や噴霧などのプロセスをより効率的に行うことができます。
関連情報
- 研究論文（掲載誌：Nature Physics）：https://www.nature.com/articles/s41567-024-01423-4
- 神戸大学プレスリリース：https://www.kobe-u.ac.jp/research/topics/2024_10_25_01/index.html
流体が乱れる・乱れないの新たな境目を発見 –～複雑流体による流体輸送の省エネ、流動制御に貢献～–
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