NASAのIXPEがブラックホールコロナの形状解明に貢献
NASAの最新X線望遠鏡であるImaging X-ray Polarimetry Explorer (IXPE)が、ブラックホールを取り巻くコロナの形状を明らかにすることに成功しました。この研究は、2023年1月27日に「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されています。
コロナとは
コロナは、ブラックホールの周りの超高温で超高エネルギーの領域です。ブラックホールから放出される非常に強い磁場の相互作用によって形成されます。コロナは、ブラックホールの挙動や性質を理解する上で重要な役割を果たしています。
IXPEの役割
IXPEは、X線の偏光を測定するように設計されています。偏光とは、光波が特定の方向に振動する性質のことです。コロナから放出されるX線は偏光されており、その偏光を測定することで、コロナの磁場構造と形状を推定できます。
研究結果
IXPEによる観測により、研究者らは、アンドロメダ座銀河の中心にある巨大ブラックホールから放出されているX線の偏光を測定しました。この偏光データは、コロナが三日月形をしていることを示しています。三日月形の形状は、ブラックホールの自転によるものだと考えられています。
関連情報
- IXPEは、NASAのSpace Exploration Program Technology Demonstration Missionの一環として、2021年に打ち上げられました。
- ブラックホールは、時空が非常に大きく湾曲した領域であり、重力によって光さえも脱出できません。
- アンドロメダ座銀河は、地球から約250万光年離れた、我々の銀河系に最も近い大きな銀河です。
今後の展望
この研究は、ブラックホールのコロナに関する理解を深め、それらの形成と進化の仕組みを明らかにするのに役立ちます。IXPEは今後、さまざまなブラックホールのコロナを観測する予定で、さらに多くの手がかりが得られることが期待されます。
NASA’s IXPE Helps Researchers Determine Shape of Black Hole Corona
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