神戸大学がコオロギランの謎を解明
神戸大学は、牧野富太郎博士が130年前に発見した「コオロギラン」にまつわる謎を解明しました。
コオロギランとは
コオロギランは、ラン科の多年草で、牧野博士が1895年に静岡県の天城山で初めて発見しました。花にコオロギの鳴き声に似た香りを発することから、その名が付けられました。
花の構造の謎
コオロギランの花には、他のラン科植物に見られない独特な構造があります。花弁が3枚あり、そのうち2枚が下に垂れ下がり、まるでコオロギの触角のように見えます。この構造が花の香りを放出する役割を果たすのではないかと考えられてきました。
機能の解明
神戸大学チームは、コオロギランの花のこの構造に注目し、その機能を解明しました。研究の結果、次のようなことがわかりました。
- 垂れ下がった2枚の花弁は、音を共鳴させる「レゾネーター」として機能している。
- このレゾネーターが、コオロギの鳴き声に似た周波数の音を発生させる。
- この音が、受粉者の昆虫を引き付けるのに役立っている。
つまり、コオロギランの花の独特な構造は、昆虫を引き寄せる音声を発生させるためのものでした。この発見は、植物が受粉者の昆虫を利用して繁殖するための戦略の多様性を示しています。
牧野博士の偉業
牧野博士は、生涯で約2000種の植物を新種として記載しました。コオロギランの発見は、彼の植物学における偉業の一つであり、日本植物学の発展に大きく貢献しました。
今回の神戸大学チームの研究は、牧野博士の発見から130年後に、コオロギランの花の謎を解明したものです。植物学研究の進歩だけでなく、牧野博士の偉業を称えるものとしても意義があります。
牧野富太郎の発見から130年!コオロギランの命名の由来となった構造の機能を解明
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