東京大学、ヒトiPS細胞からの運動ニューロン誘導法およびシングルセル評価法を開発

東京大学が運動ニューロンの誘導法と評価法を開発

東京大学は、2024年12月19日、ヒトiPS細胞から運動ニューロンを誘導する効率的な方法と、誘導された運動ニューロンを単一細胞レベルで評価する技術を開発したと発表しました。

運動ニューロン疾患の研究に貢献

運動ニューロンは、筋肉を制御する重要な神経細胞です。運動ニューロン疾患は、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症（ALS）などを含む、運動ニューロンが損傷または死滅する疾患です。これらの疾患に対する効果的な治療法はありません。

運動ニューロンの誘導法の開発

東京大学の研究チームは、ヒトiPS細胞から効率的に運動ニューロンを誘導する方法を開発しました。この方法では、複数の遺伝子を発現させることで、細胞を運動ニューロンの運命へと誘導します。この方法により、安定して高純度の運動ニューロンを大量に生成することが可能になりました。

シングルセル評価法の開発

研究チームはまた、誘導された運動ニューロンを単一細胞レベルで評価する技術も開発しました。この技術では、細胞の遺伝子発現、細胞表面マーカー、電気的活動などのさまざまな特性を測定します。この評価法により、運動ニューロンの多様性を明らかにし、個々の運動ニューロンの機能を研究することが可能になりました。

疾患の病態解明と治療法の開発に期待

これらの技術は、運動ニューロン疾患の病態解明と治療法の開発に貢献することが期待されています。運動ニューロンの大量誘導により、患者のiPS細胞から運動ニューロンを生成し、疾患のメカニズムを研究することができます。また、シングルセル評価法により、個々の運動ニューロンの異常を特定し、新しい治療標的を明らかにすることができます。

東京大学の研究成果は、運動ニューロン疾患の理解を深め、新しい治療法の開発を加速させる重要な一歩とされています。

ヒトiPS細胞からの運動ニューロン誘導法およびシングルセル評価法を開発