ホンダ、MotoGPマシン「RC211V」のエンジン技術進化を公開
2024年12月13日午前2時、ホンダは「テクノロジー MotoGP 項目別に見るRC211V エンジン技術の進化」と題した記事を公開しました。この記事では、ホンダが2002年から使用しているMotoGPマシン「RC211V」のエンジン技術の進化が詳細に解説されています。
1. 高回転化
RC211Vエンジンは、2002年のデビュー当時から高い回転数で動作する設計がされています。初期モデルでは毎分14,000回転を超える回転数でしたが、現在のモデルでは18,000回転を超えています。高回転化により、より多くの空気をシリンダー内に取り込み、出力を向上させることができます。
2. 90度V型4気筒
RC211Vエンジンは、90度の挟角を持つV型4気筒エンジンです。この設計により、コンパクトで軽量になり、高い重心位置を避けることができます。また、V型エンジンの特性として、スムーズなトルクの出力が得られます。
3. ユニカムバルブトレイン
RC211Vエンジンでは、ユニカムバルブトレインが採用されています。これは、カムシャフトがシリンダーバンクの中央に配置されており、ロッカーアームを介してバルブを駆動する方式です。ユニカムバルブトレインはシンプルで軽量であり、高い回転数でのバルブタイミングの安定性に優れています。
4. チタン製バルブ
高回転下でのバルブ駆動には、軽量で高剛性のチタン製バルブが使用されています。チタン製バルブは、一般的なスチール製バルブよりも慣性モーメントが小さく、バルブスプリングの荷重を低減できます。
5. セミドライサンプ方式
RC211Vエンジンでは、セミドライサンプ方式が採用されています。この方式では、エンジン内の潤滑油は、オイルパンの下に設置されたリザーバータンクに回収されます。セミドライサンプ方式により、オイルパンを小さくすることができ、エンジンの重心位置を低くできます。
6. 電子制御燃料噴射
RC211Vエンジンでは、電子制御燃料噴射（EFI）システムが採用されています。EFIシステムにより、シリンダーごとに燃料の噴射量とタイミングを緻密に制御でき、あらゆるエンジン回転数と負荷条件で最適な燃焼を実現できます。
7. ビッグバンエンジン
2012年モデルのRC211Vエンジンから、ビッグバンエンジンと呼ばれるコンセプトが導入されました。これは、4つのシリンダーのうち、2つのシリンダーの点火タイミングをわずかにずらして、排気音の周波数を上げる方式です。ビッグバンエンジンは、トラクションを向上させ、コーナリング性能を高めます。
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テクノロジー MotoGP 項目別に見るRC211V エンジン技術の進化
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