ロシア進出日系企業、依然として厳しいビジネス環境に直面
日本貿易振興機構(JETRO)は、2022年12月5日に「ロシア進出日系企業実態調査」を発表しました。調査は、2022年7~9月に実施され、155社の回答を基にしています。
調査結果
調査によると、ロシア進出日系企業が依然として厳しいビジネス環境に直面していることが明らかになりました。
- 赤字企業の割合の増加:「赤字」と回答した企業の割合は3~4割に上昇しました。
- 黒字企業の割合の減少:2020年の約7割から、2022年には約5割に減少しました。
- 撤退企業の増加:2021年の2社から、2022年には6社に増加しました。
厳しいビジネス環境の要因
厳しいビジネス環境の原因として、調査では以下が指摘されています。
- ウクライナ危機の影響:経済制裁、サプライチェーンの混乱、需要の低下
- インフレ:原材料費、人件費の上昇
- 為替変動:ルーブル安によるコストの上昇
- 物流の混乱:ロシア発着の貨物輸送の遅延や停止
撤退企業の理由
撤退企業のうち、約半数がウクライナ危機の影響を理由に挙げています。その他の理由としては、経営戦略の見直し、設備投資の失敗、人材不足などが挙げられています。
今後の見通し
JETROでは、ロシアのビジネス環境は当面改善しないとみています。ウクライナ危機や経済制裁の継続、インフレの抑制などが大きな課題となる見通しです。
ロシア進出企業への対応
JETROは、ロシア進出企業に対して以下のような対応を推奨しています。
- ビジネスモデルの見直し:コスト削減、代替サプライヤーの確保、現地化の推進
- リスクマネジメント:為替変動、経済制裁、政治情勢の変化への対応
- 情報収集:ビジネス環境の最新情報を収集し、適切に対応する
調査の結果は、ロシア進出日系企業が厳しいビジネス環境の中、苦戦を強いられていることを示しています。企業は今後の見通しを慎重に検討し、適切な対応を図ることが求められます。
ロシア進出日系企業実態調査、厳しいビジネス環境続く中、赤字増加は一服
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