東京大学が20億年前の岩石内部に古代微生物を発見
2024年10月2日
東京大学は、20億年前の岩石から、岩石内部の極限環境で生きていた微生物の痕跡を発見したと発表しました。この発見は、地球上の生命の起源と進化に対する理解を深めるものとして注目されています。
岩床からのサンプル
研究チームは、カナダ北西部のヌナブト準州に位置するペティート湖から採取された20億年前の岩石のサンプルを分析しました。ペティート湖は、かつて巨大なクレーターであり、その岩盤は隕石の衝突によって形成されました。
極限環境の痕跡
岩石のサンプルを顕微鏡で観察したところ、研究チームは、細菌や古細菌などの微生物が岩石内部の極限環境で生きていた証拠である、化石化した細胞や有機物の痕跡を発見しました。
これらの微生物は、岩石の深い部分に存在する熱水孔から栄養を得ていたと考えられます。熱水孔からは、エネルギー源となる化学物質が放出されていた可能性があります。
生命の起源への示唆
この発見は、生命が岩石の地下深くの極限環境から誕生した可能性を示唆しています。隕石の衝突によって形成されたクレーターは、熱水孔や高温などの初期地球上の環境を模倣しており、生命の誕生に適した場所だったと考えられています。
東京大学の研究チームは、「この発見は、生命が最初に誕生した環境に関する重要な情報を提供してくれます。岩石内部の極限環境が、生命の起源と進化において重要な役割を果たした可能性があります」と述べています。
関連情報
- 発表機関: 東京大学
- 発表日: 2024年10月2日
- 掲載論文: "Evidence for 2-billion-year-old microbial life within a rock core"
- 掲載誌: Nature
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