厚生労働省が年金制度の財政検証を発表
厚生労働省は2024年9月27日、2019年の財務状況に基づく公的年金制度の財政検証を発表しました。この検証は、年金制度の持続可能性を確保するための対策を検討するために実施されています。
検証結果
検証によると、年金積立金の給付費支払能力を示す「将来収支見通し」は、2040年度にプラス42兆円と見込まれています。これは、2014年度の試算（プラス13兆円）と比較すると大幅に改善しています。
この改善は、年金受給額の抑制や保険料の引き上げなどの改革の効果によるものです。
課題
一方で、検証では課題も指摘されています。
- 少子高齢化の進展：出生率の低下と平均寿命の延長により、年金受給者の増加と保険料納付者の減少が予想されます。
- 低金利環境：年金積立金が運用されている低金利環境は、積立金の運用益を減少させています。
ピアレビューによる評価
検証結果は、外部有識者によるピアレビューによって評価されました。ピアレビューでは、以下の点が評価されています。
- 検証の透明性と信頼性
- 検証方法の妥当性
- 検証結果の合理性
ピアレビューでは、検証結果の信頼性と検証方法の妥当性は高いと評価されました。しかし、将来の経済情勢や人口動態の変化への感応度について、さらなる検討が必要との指摘がありました。
今後の方針
厚生労働省は、検証結果を踏まえて、以下の対策を検討しています。
- 年金積立金の運用体制の強化
- 少子化対策の推進
- 労働時間の延長や外国人労働者の受け入れ拡大による保険料納付者の増加
厚生労働省は、年金制度の持続可能性を確保するために、関係者と協力して取り組んでいくとしています。
令和元（2019）年財政検証に基づく公的年金制度の財政検証（ピアレビュー）
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