AWS Outposts が外部ストレージからのEC2インスタス起動をサポート！データセンター運用の可能性がさらに広がる
Amazon Web Services (AWS) は、2025年7月17日、AWS Outpostsの機能拡張に関する重要な発表を行いました。「AWS Outposts now supports booting Amazon EC2 instances from external storage arrays」と題されたこのニュースは、多くの企業にとって、オンプレミス環境でのITインフラ運用に新たな選択肢と柔軟性をもたらすものです。
そもそもAWS Outpostsとは？
AWS Outpostsは、AWSのインフラストラクチャ、サービス、API、ツールなどを、お客様のオンプレミスデータセンターやコロケーション施設に拡張できるフルマネージドサービスです。これにより、低レイテンシーが求められるワークロードや、データ主権、規制要件によってクラウドへ移行できないデータを、AWSの使い慣れた環境でオンプレミスで実行できるようになります。
これまでAWS Outpostsでは、AWSが提供するコンピューティングおよびストレージハードウェア（Amazon EC2インスタンスやAmazon EBSボリュームなど）を利用してEC2インスタンスを起動していました。
新機能：外部ストレージからのEC2インスタス起動とは？
今回の発表で、AWS Outpostsは、お客様が既存の外部ストレージアレイからAmazon EC2インスタンスを起動できるようになりました。 これは、これまでAWS Outpostsで利用できるストレージがAWS側で提供されるものに限られていたのに対し、お客様が既に所有している、あるいは導入している外部ストレージ（SANやNASなど）を有効活用できるようになったことを意味します。
この新機能がもたらすメリット
この機能拡張は、以下のような多くのメリットをもたらします。
- 既存投資の有効活用: 多くの企業が既に高性能な外部ストレージアレイに投資しています。今回の機能拡張により、これらの既存資産をAWS Outposts環境でそのまま活用でき、新たなストレージハードウェアへの追加投資を抑制できます。
- ストレージの選択肢の拡大: お客様は、特定のワークロードの要件（パフォーマンス、容量、コストなど）に合わせて、最適な外部ストレージソリューションを選択できるようになります。これにより、より柔軟でコスト効率の高いインフラストラクチャ設計が可能になります。
- データ移行の簡素化: 既存のストレージに保存されているデータを、AWS Outposts環境へ移行する際の作業を簡素化できる可能性があります。ストレージの移行プロセスが、インスタンスの起動と同時に、あるいはよりスムーズに行えるようになることが期待されます。
- ハイブリッドクラウド戦略の強化: 外部ストレージとの連携が強化されることで、オンプレミスとAWSクラウド間のデータ連携やワークロードの移行がさらに容易になります。これは、企業が描くハイブリッドクラウド戦略をより強力に推進する助けとなります。
- 特定のワークロードへの対応: 高性能なストレージを必要とするデータベースワークロードや、大量のデータを扱う分析ワークロードなど、特定の要件を持つアプリケーションをAWS Outpostsで実行する際の選択肢が広がります。
関連情報とのつながり
この発表は、AWSが進化させるハイブリッドクラウド戦略全体の一部と捉えることができます。
- AWS Snow Familyとの連携: AWS Snow Familyは、エッジでのデータ収集や移動を支援するサービス群ですが、今回のOutpostsの機能拡張は、エッジでのデータ処理や分析といった、より高度なユースケースにおいて、既存のストレージ資産を活用できる可能性を示唆しています。
- AWS WavelengthやAWS Local Zonesとの比較: これらもAWSがエッジコンピューティングや地域限定のインフラ提供を強化するサービスですが、Outpostsはよりお客様のデータセンターに踏み込んだサービスであり、既存ストレージの活用は、その「オンプレミス」という特徴をさらに際立たせるものです。
- パートナーエコシステムの活用: 外部ストレージベンダーとの連携が重要になるため、AWSはストレージベンダーとのパートナーシップをさらに強化していくことが予想されます。これにより、お客様はより多様なストレージソリューションをAWS Outpostsで利用できるようになるでしょう。
今後の展望
AWS Outpostsが外部ストレージからのEC2インスタス起動をサポートしたことは、オンプレミス環境でのAWS体験をさらに豊かにし、多くの企業が抱える課題に対するソリューションを提供するものです。これにより、AWS Outpostsは、より多くのワークロードを、より柔軟に、そしてよりコスト効率良くオンプレミスで実行するための強力な選択肢となるでしょう。
今後、AWS Outpostsがどのように進化し、お客様のハイブリッドクラウド戦略をさらに支援していくのか、注目が集まります。
AWS Outposts now supports booting Amazon EC2 instances from external storage arrays
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