MicrochipとDelta、次世代パワーサプライ設計でタッグ！SiC技術で省エネ化を加速
2025年7月18日、エレクトロニクス・ウィークリーは、半導体大手Microchip Technologyと、電源ソリューションのリーディングカンパニーであるDelta Electronicsが、次世代のシリコンカーバイド（SiC）パワーサプライ設計において提携したというニュースを報じました。この提携は、より高効率で小型、そして信頼性の高い電源技術への期待を高めるものです。
SiCパワーサプライとは？なぜ注目されているの？
これまで、ほとんどの電子機器の電源はシリコン（Si）をベースにした半導体で作られてきました。しかし、近年の電子機器の高性能化や省エネルギー化への要求の高まりに伴い、シリコンよりも優れた特性を持つSiCが注目されています。
SiCは、シリコンに比べて
- 高い耐圧性: より高い電圧に耐えられるため、高電力アプリケーションに適しています。
- 低いオン抵抗: 電流が流れやすいため、電力損失を抑え、発熱を低減できます。
- 高いスイッチング周波数: より高速なスイッチングが可能になり、電源回路の小型化や効率向上に貢献します。
- 高い耐熱性: 高温環境下でも安定して動作するため、過酷な環境での使用も可能になります。
これらの特性から、SiCは電気自動車（EV）の充電器、サーバー、再生可能エネルギー関連機器、産業用電源など、幅広い分野で次世代のキーテクノロジーとして期待されています。
MicrochipとDeltaの強みとは？
今回の提携は、両社の強みを活かした非常に強力な組み合わせと言えます。
- Microchip Technology: マイクロコントローラ、アナログ、FPGA、そして電源管理IC（PMIC）などの幅広い半導体製品を提供している世界的な企業です。特に、SiC MOSFETなどのパワー半導体分野においても、革新的な技術開発を進めています。
- Delta Electronics: 高効率な電源、冷却ファン、そして電源管理ソリューションを設計・製造しており、データセンター、通信、産業オートメーションなど、多岐にわたる分野で実績を積んでいます。
提携による「SiCパワーサプライ設計」の具体的内容
この提携により、Microchipは自社のSiCパワー半導体と制御技術を提供し、Deltaは長年培ってきた電源設計・製造における専門知識とシステムインテグレーション能力を投入します。具体的には、
- SiCベースの次世代パワーサプライの共同開発: 両社は、SiCの特性を最大限に引き出すための回路設計、熱管理、そして信頼性向上に向けた技術開発を協力して進めます。
- 顧客へのソリューション提供: 開発されたSiCパワーサプライは、EV充電、データセンター、再生可能エネルギーなど、様々な分野の顧客に提供され、システムの高効率化と省エネルギー化に貢献します。
- 相互の技術エコシステムの強化: MicrochipのSiCデバイスとDeltaの電源設計ノウハウの組み合わせは、SiCパワーエレクトロニクス分野における技術エコシステムをさらに強化するものと期待されます。
提携がもたらす未来
このMicrochipとDeltaの提携は、単に一つの企業間の協力にとどまらず、エレクトロニクス業界全体の省エネルギー化と高効率化を加速させる重要な一歩となるでしょう。SiC技術の普及は、環境負荷の低減はもちろんのこと、より高性能で信頼性の高い電子機器の実現に不可欠です。
今後、両社から発表されるであろう、革新的なSiCパワーサプライ製品やソリューションに、世界中の注目が集まっています。
Microchip and Delta team up for SiC power supply design
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