
SEVPが実務研修の指針を更新:学生の専攻分野と就労内容の直接的関連性の判断基準を明確に
米国移民・関税執行局(ICE)傘下の学生・交換訪問者プログラム(SEVP)は、2025年7月15日16時50分に「SEVP Policy Guidance: Practical Training – Determining a Direct Relationship Between Employment and Student’s Major Area of Study」(SEVP政策指針:実務研修 – 学生の専攻分野と就労内容の直接的関連性の判断)というタイトルの新しい政策指針を公開しました。この指針は、留学生が卒業後にアメリカで実務経験を積むための「オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)」や「カリキュラム・実務研修(CPT)」といったプログラムにおいて、学生の専攻分野と実際の就労内容との間に直接的な関連性があるかどうかを判断するための基準をより明確にするものです。
なぜこの指針が重要なのか?
アメリカで学ぶ留学生にとって、卒業後の実務経験はキャリア形成において非常に貴重なものです。OPTやCPTといった制度は、留学生がアメリカで学んだ知識やスキルを実際の職場で活かし、さらなる専門性を高める機会を提供します。しかし、これらのプログラムを適切に利用するためには、就労内容が自身の専攻分野と密接に関連している必要があります。
これまでは、この「直接的な関連性」の判断基準が曖昧であるとの指摘もありました。今回の新しい指針は、学校(大学など)の担当者や学生自身が、どのような就労が認められるのか、あるいは認められないのかをより正確に理解できるようにすることを目的としています。これにより、不正受給や意図しない規則違反を防ぎ、プログラムの健全性を保つことが期待されます。
新しい指針で何が変わるのか?
公開されたPDF文書には、具体的な判断基準や事例が記載されていると考えられます。一般的に、このような指針の更新では、以下の点がより明確化される傾向があります。
- 「直接的な関連性」の定義の具体化: 専攻分野のどの側面が、どのような職務内容と関連があるとみなされるのか、具体的な例を挙げて説明される可能性があります。例えば、コンピューターサイエンス専攻の学生がソフトウェア開発の職に就くのは直接的関連性が高いとされる一方、同じ専攻でも人事担当の職に就く場合は関連性が低いと判断される、といった具合です。
- 職務記述書の重要性: 申請時に提出される職務記述書(Job Description)が、どのように評価されるのか、どのような情報が求められるのかが具体的に示されると考えられます。
- 学校(Designated School Official – DSO)の役割: 学生のOPT/CPT申請を承認する大学の担当者(DSO)が、どのように関連性を判断し、記録を保持する必要があるのかといったガイドラインも含まれる可能性があります。
- 例外規定や特殊なケースの扱い: 専攻分野が複数にわたる場合や、新しい分野への進出など、判断が難しいケースに対する考え方や手続きについても触れられている可能性があります。
学生への影響と注意点
今回の指針の更新は、留学生が実務研修を申請する際に、より一層慎重な準備と正確な情報収集を求めるものと言えるでしょう。
- 自分の専攻分野と職務内容の関連性を理解する: 応募する職務が、自身の専攻分野で学んだ知識やスキルをどのように活かすのかを明確に説明できるように準備する必要があります。
- 学校の国際担当部署に相談する: 指針の内容について不明な点がある場合は、必ず通っている大学の国際担当部署(International Student Officeなど)に相談し、最新の情報を確認することが重要です。学校の担当者は、これらの政策に精通しており、適切なアドバイスを提供してくれます。
- 職務記述書を丁寧に作成する: 自分がどのような業務を担当するのかを具体的に、かつ専攻分野との関連性を強調して記述することが求められます。
まとめ
SEVPによる今回の政策指針の更新は、留学生がアメリカでの実務経験を円滑かつ適切に得るための重要なステップです。留学生一人ひとりが、自身の専攻分野と就労内容の関連性について深く理解し、学校と連携しながら進めることで、将来のキャリア形成に大きく貢献する実務経験を得ることができるでしょう。最新の情報については、ICEの公式ウェブサイトや大学の国際担当部署を通じて確認することをお勧めします。
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