AWS Network Firewall、AWS Transit Gatewayとの統合を全リージョンで提供開始！より安全で簡単なネットワーク構築を実現
Amazon Web Services (AWS) は2025年7月8日、待望のニュースリリース「AWS Network Firewall: Native AWS Transit Gateway support in all regions」を発表しました。このアップデートにより、AWS Network Firewall が AWS Transit Gateway とのネイティブ統合を全てのAWSリージョンで提供開始したことが明らかになりました。これは、AWSをご利用のお客様が、より安全で、かつ簡単にハイブリッドクラウドやマルチアカウント環境のネットワークを構築・管理するための、非常に重要な進化と言えるでしょう。
AWS Transit Gatewayとは？ なぜ重要なのか？
まず、今回のアップデートの主役である「AWS Transit Gateway」について簡単にご説明します。AWS Transit Gateway は、クラウド内の複数のAmazon Virtual Private Cloud (VPC) やオンプレミスネットワークを単一のゲートウェイに接続するためのサービスです。まるでハブのように機能し、複雑なネットワーク接続を一元管理できるように設計されています。
従来、複数のVPCやオンプレミスネットワークを接続する場合、VPCピアリングやVPN接続などを個別に設定する必要があり、管理が煩雑になることがありました。Transit Gateway を導入することで、これらの接続を一元化し、シンプルでスケーラブルなネットワークアーキテクチャを実現できるようになります。これにより、例えば、開発環境と本番環境のVPC、あるいはオンプレミスのデータセンターとAWS環境の連携などが格段に容易になります。
AWS Network Firewall と Transit Gateway の統合で何が変わる？
では、この Transit Gateway と AWS Network Firewall のネイティブ統合がもたらすメリットは何でしょうか？
1. セキュリティの強化と簡素化：
AWS Network Firewall は、AWSネットワークへの侵入を防ぐためのマネージド型ネットワークセキュリティサービスです。ステートフルファイアウォール機能、侵入検知・防御機能、Webフィルタリング機能などを提供し、お客様のネットワークを多層的に保護します。
今回の統合により、Transit Gateway を介して接続されている全てのVPCやオンプレミスネットワークに対して、AWS Network Firewall をより簡単に、そしてより効果的に適用できるようになりました。これまでは、個々のVPCにNetwork Firewall をデプロイし、複雑なルーティング設定を行う必要がありました。しかし、ネイティブ統合によって、Transit Gateway を中心にNetwork Firewall を配置することで、トラフィックを一箇所で検査し、一元的にセキュリティポリシーを適用することが可能になります。
これにより、以下のような利点が生まれます。
- 単一のセキュリティポリシー適用: 全てのトラフィックを一元的に検査するため、セキュリティポリシーの管理が大幅に簡素化されます。
- よりきめ細やかなアクセス制御: どのVPCからどの宛先への通信を許可・拒否するか、といった細かい制御が容易になります。
- 侵入検知・防御の効率化: Transit Gateway を通過する全てのトラフィックに対して、不審なアクティビティをリアルタイムで検知し、ブロックすることができます。
- コンプライアンス要件への対応: 厳格なセキュリティ要件が求められる業界（金融、医療など）のお客様にとって、コンプライアンスの遵守を支援する強力なツールとなります。
2. 運用管理の効率化：
ネットワーク構成の複雑性が軽減されることで、運用管理の効率も格段に向上します。
- 設定の簡素化: 個別のVPCへのデプロイやルーティング設定が不要になるため、構築・運用の手間が大幅に削減されます。
- スケーラビリティの向上: Transit Gateway のスケーラビリティと連携し、ネットワークの拡大に合わせてNetwork Firewall も容易に拡張できます。
- コスト最適化の可能性: 全体として必要なNetwork Firewall のインスタンス数を削減できる可能性があり、コスト効率の良いネットワークセキュリティを実現できます。
- 可視性の向上: Transit Gateway を通じて流れるトラフィックの監視が容易になり、ネットワーク全体の可視性が向上します。
3. 全リージョンでの提供開始：
この統合機能が「全てのリージョン」で提供開始されたことは、グローバルにAWSをご利用のお客様にとって、地域を問わず一貫したセキュリティレベルと運用体制を構築できることを意味します。世界中に拠点を展開されている企業や、グローバルなアプリケーションを運用されているお客様は、地理的な制約なくこのメリットを享受できます。
今後の展望とまとめ
AWS Network Firewall と Transit Gateway のネイティブ統合は、AWSにおけるネットワークセキュリティと管理のあり方を大きく前進させるものです。これにより、企業は複雑なネットワーク環境でも、より迅速かつ安全にビジネスを展開できるようになります。
今回の発表は、AWSがお客様のニーズに応え、よりシンプルで強力なクラウド体験を提供するための継続的な取り組みの一環と言えます。今後も、AWSは進化を続け、より安全で、より使いやすいクラウドサービスを提供していくことでしょう。
AWSをご利用の皆様は、ぜひこの新しい機能を活用し、より安全で効率的なネットワーク構築にご活用ください。
AWS Network Firewall: Native AWS Transit Gateway support in all regions
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