ジョージアにおける民主主義の後退と弾圧に欧州議会が深い憂慮を表明
欧州議会は2025年7月9日、ジョージアで進行する民主主義の後退と国民への弾圧に対し、強い遺憾の意を表明しました。議会はプレスリリースを通じて、ジョージア政府による民主的な原則と法の支配への敬意の欠如について、深い懸念を示しています。
具体的に何が問題視されているのか？
欧州議会が特に問題視しているのは、以下の点です。
- 法の支配の後退: 司法の独立性が脅かされ、政治的な意図による訴追が行われているとの懸念が示されています。また、政府に批判的な人々やメディアに対する司法手続きが不透明であることも指摘されています。
- 市民社会とメディアへの弾圧: 政権に批判的な市民団体やジャーナリストが標的にされ、活動が制限されたり、脅迫を受けたりしている状況が報告されています。これは、ジョージア国民が自由に意見を表明する権利を侵害するものとして、深刻に受け止められています。
- 平和的なデモへの過剰な対応: ジョージア国内で政府の方針に反対する平和的なデモが頻繁に行われていますが、それらに対して治安部隊が過剰な武力を行使したり、不当な逮捕を行ったりする事例が報告されており、欧州議会はこれを非難しています。
- 「外国の代理人」に関する法案への懸念: 欧州議会は、ジョージア政府が提案している、メディアやNGOを「外国の代理人」として登録することを義務付ける法案についても、その内容が表現の自由や市民社会の活動を萎縮させる可能性があるとして、強い懸念を示しています。この法案は、ロシアなどで同様の法案が市民社会を抑圧するために使われている例があり、ジョージアにおいても同様の効果をもたらすのではないかと危惧されています。
なぜ欧州議会がこのような声明を出したのか？
ジョージアは、欧州連合（EU）との関係強化を目指しており、民主主義、法の支配、人権といった欧州の価値観を共有するパートナーとして期待されています。欧州議会は、ジョージアがこれらの価値観から逸脱し、国民の権利を侵害するような行動をとることに対し、パートナーとしての責任感からこのような強いメッセージを発したと考えられます。
欧州議会は、ジョージア国民の自由と民主的な権利を守ることを強く支持しており、今回の声明を通じて、ジョージア政府に対して、これらの権利を尊重し、法の支配に従うことを強く求めています。また、ジョージアが欧州への道を歩み続けるためには、民主的な原則へのコミットメントを改めて示すことが不可欠であると強調しています。
この声明は、今後のEUとジョージアの関係、そしてジョージア国内の民主化の行方にも影響を与える可能性があり、国際社会の注目が集まっています。
Press release – Parliament deplores the democratic backsliding and repression in Georgia
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