地球最後の日の足音？ アメリカのAmazon、なぜか「終末用品」で賑わう理由
2025年6月30日、フランスのニュースサイトPresse-Citronが興味深い記事を公開しました。「地球最後の日の恐怖がアメリカのAmazonの買い物かごを満たす時」と題されたこの記事は、近年、アメリカ国内で「終末用品」と呼ばれる商品の需要が急増している現状を伝えています。一体、何がアメリカの人々をそこまで不安にさせているのでしょうか。
「もしもの時」に備える、新たなトレンド
この記事によれば、近年アメリカでは、自然災害やパンデミック、さらには地政学的な緊張の高まりといった様々な要因から、「いつ何が起こるかわからない」という漠然とした不安が人々の間に広がっているようです。この不安が、普段使い慣れたオンラインショッピングプラットフォームであるAmazonで、「生き残るための商品」を買うという行動に繋がっています。
具体的には、以下のような商品が注目を集めているとのことです。
- 食料・水の備蓄: 長期保存可能な缶詰や乾燥食品、浄水器、携帯用浄水ボトルなどが人気です。いつ食料供給が途絶えるか分からないという懸念から、数週間、あるいは数ヶ月分の備蓄を確保しようとする動きが見られます。
- 医療・衛生用品: 包帯や消毒液、常備薬はもちろんのこと、簡易トイレや衛生キットなども品切れ状態が続くことがあるそうです。
- 電力・通信手段: 手回し充電器、ソーラーパネル付き充電器、トランジスタラジオなど、停電時でも使える電源や情報収集手段への関心が高まっています。
- 避難用具・サバイバルキット: リュックサックに詰め込まれた食料、寝袋、ナイフ、ファーストエイドキットなどがセットになった「エマージェンシーキット」が売れ行きを伸ばしています。
なぜAmazonなのか？
Amazonがこうした「終末用品」の購入場所として選ばれるのには、いくつかの理由が考えられます。
- アクセスの容易さ: 自宅にいながらにして、幅広い種類の防災・サバイバルグッズを比較検討し、購入できる手軽さは、不安を感じる人々にとって大きな魅力です。
- 品揃えの豊富さ: Amazonには、一般的な小売店では見かけないようなニッチな防災グッズや専門的なサバイバル用品も多数揃っています。
- 匿名性: 公然と防災用品を買い漁ることに抵抗を感じる人でも、オンラインであれば比較的気兼ねなく購入できるという側面もあるかもしれません。
背景にあるのは、複雑な現代社会の不安
Presse-Citronの記事は、この現象を単なる「終末思想」と片付けるのではなく、現代社会が抱える複雑な不安の表れとして捉えています。気候変動による異常気象の頻発、新型コロナウイルスのパンデミックで露呈した社会インフラの脆弱性、そして国際情勢の不安定さなど、私たちがこれまで当たり前だと思っていた日常が、いつ崩れてもおかしくないという感覚が、静かに人々の心に浸透しているのかもしれません。
もちろん、すべての人が本当に地球の終わりを信じているわけではないでしょう。しかし、「万が一」に備えること、それは自分自身や大切な家族を守るための、人間としての自然な行動とも言えます。
このトレンドは、私たちの社会が抱える見えない不安を映し出す鏡のようなものなのかもしれません。今後も、このような「終末用品」の需要動向は、私たちの社会情勢を読み解く上での一つの指標となることでしょう。
Quand la peur de la fin du monde remplit les paniers Amazon des Américains
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