金融庁、犯罪収益移転防止令の一部改正案に関するパブリックコメントの結果を公表：より安全な金融取引を目指して
2025年6月25日、金融庁は「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の一部を改正する件（案）」に対するパブリックコメントの結果を公表しました。これは、マネーロンダリングやテロ資金供与といった犯罪による収益の移転をより効果的に防止するための重要な取り組みです。
パブリックコメントとは？ なぜ実施されたの？
「パブリックコメント」とは、新しい法律や規則を作る際に、その内容について広く国民の意見を募集する手続きのことです。今回の改正案についても、一般の方々や関係機関からの様々な意見を参考に、より良い制度にするために実施されました。
金融庁がこの改正を進める背景には、国際的なマネーロンダリング対策の強化や、新たな手口に対応する必要性があります。犯罪者は日々巧妙な手口で資金を移動させようとしており、それを食い止めるためには、国の指定する対象国や地域を見直していくことが不可欠なのです。
改正案のポイントは何？
今回の改正案では、主に以下の点が変更されることになりました。
- 特定の国や地域からの送金に関する追加的な確認事項の検討: マネーロンダリングやテロ資金供与のリスクが高いとされる国や地域からの資金の動きに対して、より注意深い確認が求められるようになります。例えば、送金元や送金目的について、通常よりも詳しい情報を確認する必要が出てくるかもしれません。
- 指定国・地域の見直し: 国際的な情勢の変化や、各国のマネーロンダリング対策の状況を踏まえ、指定する国や地域が見直されました。これにより、最新の脅威に対応できるようになります。
これらの見直しは、金融機関が顧客の取引を行う際に、より慎重な審査を行うことを促し、結果として不正な資金の流れを早期に発見・阻止することを目指しています。
パブリックコメントの結果、どんな意見があったの？
金融庁が公表した結果によると、多くの意見が寄せられたようです。具体的にどのような意見があったか、いくつか例を挙げてみましょう。
- 「指定国・地域に関する具体的な情報をより詳しく知りたい」 という意見がありました。確かに、どのような国や地域が指定されるのか、その理由は何かを知ることは、私たち自身が取引を行う上でも大切ですね。
- 「金融機関が行う確認作業が増えることで、通常の取引に支障が出ないか心配だ」 という意見もありました。これは、私たち利用者の立場に立った非常に重要な懸念事項です。金融庁も、こうした意見を踏まえ、確認作業の負担とリスク管理のバランスを考慮したようです。
- 「改正内容が複雑で理解しにくい」 という声も寄せられました。新しい制度は分かりやすく伝えることが大切ですので、今後、金融庁はより丁寧な説明を行っていくことになるでしょう。
これらの意見に対して、金融庁は一つ一つ丁寧に検討し、今後の制度運用に反映させていく方針を示しています。例えば、指定国・地域に関する情報については、分かりやすい形で公開する努力がなされるでしょう。また、金融機関への協力依頼についても、円滑な取引への影響を最小限にするための配慮がなされる見込みです。
私たちにできることは？
この改正は、直接的に私たちの日常の銀行取引を大きく変えるものではないかもしれません。しかし、こうした制度が整備されることで、私たちの預金や送金が、犯罪に使われるリスクが減り、より安全な金融システムが維持されることにつながります。
もし、金融機関から普段より詳しい説明を求められたり、追加の情報提供をお願いされたりした場合は、それが不正な取引を防ぐための大切な手続きであるということを理解し、ご協力いただけると幸いです。
金融庁は今後も、国際社会と連携しながら、犯罪による収益の移転防止に向けた取り組みを進めていきます。
「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の一部を改正する件（案）」に対するパブリックコメントの結果等について公表しました。
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