神戸大学、分子の素早い動きで高エネルギー光を作り出す新技術を発表！医療への応用も期待
神戸大学が、2025年6月12日に、分子の驚くべき動きを利用して、高いエネルギーを持つ光を作り出す新しい技術を発表しました。この技術は、これまで難しいとされていた光のエネルギー変換を効率的に行うことができるため、医療分野をはじめ、様々な分野での応用が期待されています。
いったい何がすごい？簡単に言うと…
普段、私たちが目にする光は、様々な色の光が混ざり合ってできています。光の色は、その光が持つエネルギーの大きさを表しており、紫色の光は、赤色の光よりも高いエネルギーを持っています。
今回の研究では、特定の分子に光を当てると、その分子がものすごい速さで動く性質を利用しました。この分子の動きをうまくコントロールすることで、低いエネルギーの光（例えば、赤色の光）を、高いエネルギーの光（例えば、紫色の光）に変換することに成功したのです。
なぜ「分子の動き」が大切なの？
分子は、とても小さな粒子の集まりで、常に振動したり回転したりしています。今回の研究では、この分子の動きの中でも、特に「ねじれ」という動きに注目しました。
光を当てられた分子がねじれると、分子の中の電子の状態が変化し、エネルギーを蓄えることができます。そして、この蓄えられたエネルギーを光として放出する際に、より高いエネルギーの光に変換される、という仕組みです。
この技術がもたらす未来：医療への応用
この技術が特に期待されているのは、医療分野への応用です。
- 量子センシング: 量子センシングとは、非常に微弱な変化を高精度に検出する技術です。この技術を利用することで、これまで見えなかった病気の兆候を早期に発見できる可能性があります。
- 光線力学療法（PDT）： 特定の光に反応する薬剤を体内に投与し、光を照射することでがん細胞を破壊する治療法です。この技術を用いることで、より深い場所に存在するがん細胞にも効果的に光を届けられるようになり、治療効果の向上が期待されます。
研究者からのメッセージ
今回の研究を率いた研究者は、「この技術は、基礎研究の成果が、直接的に社会に貢献できる可能性を示すもの。医療分野だけでなく、エネルギー分野など、様々な分野への応用を期待したい。」と語っています。
まとめ
神戸大学が発表したこの新しい技術は、光のエネルギー変換効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。量子センシングや光線力学療法への応用を通じて、医療の発展に大きく貢献することが期待されます。今後の研究の進展が楽しみです。
分子内のすばやい動きで高いエネルギー光へ変換 –量子センシングの医療応用にも期待–
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