鳥取大学が発表！手術後の「胆汁漏れ」を防ぐ新しい治療法、臨床試験で効果を確認
鳥取大学が、肝臓の手術後に起こりやすい「胆汁漏れ」という合併症を防ぐための、新しい治療法の臨床試験結果を発表しました。この治療法は、手術中に「インドシアニングリーン（ICG）」という薬を全身に投与するというものです。
胆汁漏れって何？
胆汁とは、肝臓で作られる消化液で、脂肪の消化を助ける役割があります。肝臓の手術では、この胆汁が通る管（胆管）を切ったり縫ったりすることがあります。手術後に、縫い合わせた部分から胆汁が漏れてしまうことがあり、これが「胆汁漏れ」です。胆汁漏れが起こると、お腹の中に炎症が起きたり、感染症を引き起こしたりすることがあります。
新しい治療法の仕組み
今回の臨床試験で用いられた「インドシアニングリーン（ICG）」は、特定の波長の光を当てると光る性質があります。手術中にICGを投与することで、胆汁の流れをリアルタイムで確認することができます。これにより、手術中に胆管の損傷を見つけやすくなり、より丁寧に手術を行うことができます。
臨床試験の結果
鳥取大学が行った臨床試験では、ICGを使った治療法を行ったグループと、従来の方法で手術を行ったグループを比較しました。その結果、ICGを使ったグループでは、胆汁漏れが起こるリスクが有意に低下し、患者さんの合併症発生率も低減することがわかりました。
このニュースのすごいところ
- 胆汁漏れのリスクを減らせる: 肝臓の手術後の患者さんにとって、胆汁漏れは大きな負担となります。この治療法によって、胆汁漏れのリスクを減らすことが期待できます。
- 合併症の発生率を下げられる: 胆汁漏れが減ることで、お腹の中の炎症や感染症といった合併症のリスクも下げることができます。
- 患者さんの負担を減らせる: 合併症が減ることで、入院期間が短くなったり、再手術が必要になる可能性が低くなったりと、患者さんの負担を減らすことができます。
今後の展望
鳥取大学は、今回の臨床試験の結果を踏まえ、さらに研究を進めていく予定です。この治療法が広く普及することで、肝臓の手術を受ける患者さんのQOL（生活の質）向上に貢献することが期待されます。
まとめ
鳥取大学が開発した新しい治療法は、肝臓の手術後の合併症である「胆汁漏れ」を防ぐ画期的なものです。今後の研究と普及によって、多くの患者さんがより安心して手術を受けられるようになることが期待されます。
全身投与インドシアニングリーン（ICG）を用いた 肝切除後の胆汁漏予防に関する前向き臨床試験を実施 — 胆汁漏リスクを有意に低下、患者の合併症発生率を低減 —
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