富山大学が発見！ クエン酸塩が抗がん剤の副作用を軽減する可能性
富山大学の研究チームが、私たちの体の中を少しだけアルカリ性にする「クエン酸塩」という物質が、抗がん剤の副作用である「末梢神経障害」を予防したり、治療したりするのに役立つかもしれないという、嬉しい発見を発表しました！（2025年4月21日発表）
末梢神経障害ってどんな症状？
抗がん剤はがん細胞をやっつける強い薬ですが、残念ながら、がん細胞だけでなく、健康な細胞にも影響を与えてしまうことがあります。その一つが「末梢神経障害」です。
末梢神経というのは、脳や脊髄から体の隅々まで繋がっている神経のこと。この神経が傷ついてしまうと、
- 手足のしびれや痛み
- 感覚が鈍くなる
- 歩きにくくなる
- 便秘
- 排尿障害
など、様々な症状が現れることがあります。抗がん剤治療を受けている患者さんにとって、この末梢神経障害は治療を中断せざるを得なくなるほど辛い症状なのです。
クエン酸塩って何？ なんで効果があるの？
クエン酸塩は、レモンや梅干しなどの酸っぱい食品に含まれている「クエン酸」という物質が変化したものです。私たちの体の中では、エネルギーを作る過程で自然に作られています。
今回の研究で、クエン酸塩が末梢神経障害を予防したり、治療したりする可能性があることが分かったのは、次のような理由が考えられます。
- 体のpHバランスを整える： クエン酸塩は、体の中を少しだけアルカリ性に保つ働きがあります。抗がん剤によって体の中が酸性に傾くと、神経細胞がダメージを受けやすくなるため、クエン酸塩がpHバランスを整えることで、神経細胞を守ってくれると考えられます。
- 神経細胞の働きを助ける： 研究では、クエン酸塩が特定の神経細胞（DRGニューロン）の活性を高めることも示唆されています。この神経細胞は、痛みを伝える役割を担っているため、クエン酸塩がこの神経細胞を活性化することで、末梢神経障害による痛みを和らげる効果があるかもしれません。
これからの期待
今回の発見は、抗がん剤治療を受けている患者さんにとって、とても希望の持てるニュースです。
- 副作用の少ない治療法の開発： クエン酸塩を使った新しい治療法が開発されれば、抗がん剤の副作用に悩む患者さんのQOL（生活の質）を大きく向上させることが期待できます。
- 身近な食品からの可能性： クエン酸塩は、レモンや梅干しなど、普段から口にする食品にも含まれています。これらの食品を積極的に摂取することで、末梢神経障害の予防に繋がる可能性もあります（ただし、摂取量については医師や栄養士に相談してください）。
富山大学の研究チームは、今後、さらに詳しい研究を進めていく予定です。クエン酸塩が、抗がん剤治療の新たな希望となる日が来るかもしれません。今後の研究成果に期待しましょう！
関連情報
- 末梢神経障害について（国立がん研究センター）： https://www.ncc.go.jp/ （実際のURLに置き換えてください）
- クエン酸について（厚生労働省）： https://www.mhlw.go.jp/ （実際のURLに置き換えてください）
注意： この記事は、発表された情報に基づいて作成されたものであり、医学的なアドバイスを提供するものではありません。ご自身の健康状態についてご心配な場合は、必ず医師にご相談ください。
体内環境を弱アルカリ性に保つクエン酸塩が抗がん薬によって誘発される末梢神経障害の予防または治療に有効であることを発見
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