大阪公立大学が酵母菌によるD-乳酸生産を促進する遺伝子とDNA配列を発見
大阪公立大学は、2025年1月22日に画期的な発見を発表しました。研究チームは、酵母菌によるD-乳酸の生産を著しく促進する遺伝子とDNA配列の組み合わせを特定しました。
D-乳酸とは何か？
D-乳酸は、乳製品や医薬品など幅広い用途を持つバイオプラスチックの原料として有望視されている化合物質です。従来、D-乳酸は乳酸菌の細菌発酵によって生産されていましたが、効率が低く、コストがかかるという課題がありました。
酵母菌の活用
研究チームは、酵母菌がD-乳酸を効率的に産生できる可能性に注目しました。酵母菌は通常、L-乳酸という別の種類の乳酸を生産しますが、遺伝子操作によってD-乳酸を生産するようにすることが可能です。
遺伝子とDNA配列の組み合わせ
研究チームは、酵母菌のゲノムを調べ、D-乳酸の産生に関連する遺伝子である「LDB1」を特定しました。さらに、この遺伝子のプロモーター領域に特定のDNA配列を追加することで、LDB1の働きが向上し、D-乳酸の産生量が大幅に増加することがわかりました。
画期的発見
この発見は、より効率的で持続可能なD-乳酸生産方法の開発に大きな前進をもたらします。酵母菌を利用することで、乳酸菌の細菌発酵よりも低コストで大量のD-乳酸を生産できる可能性があります。
用途
D-乳酸は、次のような用途で利用できます。
- バイオプラスチックの原料
- 医薬品の原料
- 食品添加物
- 化粧品原料
今後の研究
研究チームは現在、この発見をもとに、さらなる効率向上と安定したD-乳酸生産プロセスを開発しています。この研究は、バイオベース産業の進歩と持続可能な材料の開発に貢献することが期待されています。
酵母菌によるD体乳酸の生産を最も促進する遺伝子とDNA配列の組み合わせを発見
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