ハンセン病元患者家族への補償制度が愛知県で開始
2025年1月17日、愛知県は「ハンセン病元患者家族に対する補償金制度」を公開しました。
対象者
- ハンセン病元患者の配偶者、子ども、孫のうち、ハンセン病に関する差別や偏見により、経済的、精神的被害を受けた方
補償金
- 一律50万円
申請期間
- 2025年4月1日から2034年3月31日まで
申請方法
- 愛知県ハンセン病元患者家族補償金申請書（愛知県ホームページからダウンロード可）に必要事項を記入し、愛知県保健福祉部健康局ハンセン病対策課に郵送または持参する。
背景
ハンセン病は、中世のヨーロッパでは「癩病」と呼ばれ、恐ろしい感染症とされていました。日本では、1907年にハンセン病予防法が施行され、患者は強制隔離されて社会から排除されました。
この隔離政策により、ハンセン病患者とその家族は、多大な差別や偏見にさらされました。家族は、一般の学校や職場から締め出され、社会的に孤立させられました。
国の動き
2018年、国は「ハンセン病問題の解決の促進に関する特別措置法」を施行し、ハンセン病元患者の補償金制度を創設しました。しかし、この制度では、家族への補償は対象外となっていました。
愛知県の取り組み
愛知県では、ハンセン病元患者家族の苦しみを理解し、その解決を図るため、独自の補償制度を設けました。この制度は、国の制度を補完するもので、家族の経済的・精神的被害に対する支援を行います。
申請上の留意点
- 申請には、差別や偏見を受けたことを証明する書類（例えば、学校や職場からの退学・解雇通知など）が必要となります。
- ハンセン病元患者本人もしくは死亡後の遺族が対象となります。
関連情報
- 愛知県ホームページ「ハンセン病元患者家族に対する補償金制度」 www.pref.aichi.jp/soshiki/hokenfukushi/hansenbyou-kyushoku.html
- ハンセン病問題の解決の促進に関する特別措置法 elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000062
愛知県は、この補償制度を通じて、ハンセン病元患者家族の尊厳回復と、偏見による苦しみの解消に取り組んでいます。
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