NTT、世界初、NTT Com特許技術を活用した量子コンピューターでも解読出来ない暗号通信を実現

NTT、量子コンピューターにも耐える解読不能暗号通信を実現

日本電信電話株式会社（NTT）は2025年1月15日、世界初の量子コンピューターでも解読が不可能な暗号通信の技術を開発・実証したと発表しました。

技術の仕組み

従来の暗号通信では、暗号化された情報を解読するために鍵が使用されます。量子コンピューターは、現在のコンピューターでは解読に何年もかかる暗号も短時間で解読する可能性を持っています。

そこでNTTが開発した新しい技術は、量子鍵配布（QKD）という技術を利用しています。QKDでは、量子もつれと呼ばれる現象を使用して、盗聴や改ざんを検知できる安全な鍵を生成します。この鍵は、通常の通信チャネルを介して送信されるデータを暗号化するために使用されます。

特許技術

NTTがこの技術で特許を取得したのは、量子ビットの符号化方式です。従来のQKDシステムでは、量子ビットは「0」または「1」の状態しか持てませんでしたが、NTTの技術では量子ビットに「+1」、「-1」、「i」、「-i」の4つの状態を持たせることができます。これにより、より安全で効率的な暗号化が可能になります。

実証実験

NTTは、この技術の実証実験をNTTコミュニケーションズのTokyo Twin Parks事業所で実施しました。実験では、距離約50kmのネットワーク上で、量子コンピューターでも解読できない安全な暗号通信に成功しました。

関連情報

• NTTプレスリリース: 世界初、NTT Com特許技術を活用した量子コンピューターでも解読出来ない暗号通信を実現
• 量子鍵配布（QKD）: Wikipedia
• NTTコミュニケーションズ: 量子鍵配送ソリューション

今後の展開

NTTは、この技術を商用化し、政府機関や金融機関など、機密性の高い情報の保護が必要な組織に提供することを検討しています。また、この技術は、量子コンピューターが普及しても耐性のある安全な通信基盤の構築に役立つと期待されています。

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