鳥取大学、ダウン症の原因解明に貢献するiPS細胞の作製に成功
鳥取大学が2025年1月15日に発表した研究結果によると、大学研究チームは、ダウン症の主な原因であるヒト21番染色体の部分的な欠失状態を再現したiPS細胞（人工多能性幹細胞）の作製に成功しました。
染色体欠失症とダウン症
染色体欠失症は、特定の染色体が部分的にまたは完全に欠損している遺伝子疾患です。21番染色体の特定の部分が欠損している状態が、ダウン症として知られています。
iPS細胞を利用した研究
研究チームは、ダウン症の患者から採取した皮膚細胞からiPS細胞を作製しました。次に、遺伝子編集技術を使用して、iPS細胞から21番染色体の特定の部分を欠失させました。これにより、ダウン症の特徴である染色体欠失状態を再現したiPS細胞が完成しました。
研究の意義
このiPS細胞は、ダウン症や他の染色体欠失症の病態解明に役立てられると期待されています。iPS細胞を用いて、染色体欠失が細胞に及ぼす影響や、障害につながるメカニズムを詳細に調べることが可能です。
さらに、iPS細胞は、薬剤や遺伝子治療のスクリーニングにも使用できます。これにより、染色体欠失症の新しい治療法の開発が促進されることが期待されます。
関連情報
- 鳥取大学プレスリリース: www.tottori-u.ac.jp/news/press/20250115.html
- ダウン症に関する国立遺伝学研究所の情報: www.nig.ac.jp/nig/ja/education/column/0103.html
ヒト21番染色体部分モノソミーiPS細胞の作製に成功 ～ヒト染色体欠失症やダウン症の機序解明や治療標的発見への応用を期待～
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