大阪公立大学がピロリ菌に対する診療方針の調査を実施
調査の背景 胃がんはアジア太平洋地域で最も一般的ながんです。ピロリ菌は胃がんの主な原因の一つであり、感染者の胃がんリスクは感染していない人に比べて5倍高くなります。適切な診療によりピロリ菌感染を防ぐ、あるいは根絶することで、胃がんの予防に効果が期待できます。
調査の詳細 大阪公立大学は、アジア太平洋地域の17か国・地域から1,300人以上の医師を対象に、ピロリ菌に対する診療方針に関する大規模調査を実施しました。調査は2021年1月から2022年12月にかけてオンラインで行われました。
主な調査結果
- 回答医師の約3分の2がピロリ菌感染を根絶するための治療を推奨していました。
- 推奨する治療法には、標準的な3剤療法（プロトンポンプ阻害薬、クラリスロマイシン、アモキシシリン）と、より新しい4剤療法（ビスマス塩、テトラサイクリン、メトロニダゾール、プロトンポンプ阻害薬）がありました。
- ピロリ菌感染の検査方法は、内視鏡による生検と便中抗原検査が最も一般的に用いられていました。
関連情報
- ピロリ菌感染は、抗生物質を服用することで根絶できます。
- ピロリ菌に感染していることが判明した場合は、胃がんのリスクを評価するために内視鏡検査を受けることが推奨されます。
- ピロリ菌感染のリスクは、衛生環境の悪い地域に住んでいること、井戸水や河川水を飲んでいること、喫煙することなどで高くなります。
調査の意義
この調査結果は、アジア太平洋地域におけるピロリ菌に対する診療方針の現状を明らかにし、胃がん予防に向けた取り組みを改善するための貴重な情報となります。調査チームは、今後、この調査結果に基づいて、ピロリ菌感染の管理に関するガイドラインを作成する予定です。
参照資料 * 大阪公立大学プレスリリース：https://www.upc-osaka.ac.jp/ja/news/2023/release_160004.html
－アジア太平洋地域での胃がん撲滅を目指して－ ピロリ菌への診療方針を大規模調査
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