内閣府、景気ウォッチャー調査（令和6年12月調査）

景気後退懸念強まる、内閣府調査で示唆

内閣府が発表した景気ウォッチャー調査（令和6年12月調査）によると、日本の景気は後退傾向にあることが示唆されています。

調査結果

景況感指数（DI）は7ヶ月連続で低下：52.5と、前月の56.7から4.2ポイント減少しました。これは、景気が「悪化している」と回答する企業が「改善している」と回答する企業を上回っていることを意味します。
企業の経営判断DIも低下：46.1と、前月の49.9から3.8ポイント減少しました。これは、企業が経営状態を「良くない」と判断していることを示します。
消費者判断DIも低下：34.8と、前月の37.1から2.3ポイント減少しました。これは、消費者の経済状況への見通しが悪化していることを示します。

関連情報

世界経済の減速：国際通貨基金（IMF）は、2023年の世界経済成長率を2.9％に下方修正しました。この減速は、インフレの高まり、ウクライナ戦争、中国の経済減速などが原因です。
円安による輸入コスト上昇：円安が続いているため、輸入コストが上昇し、企業の収益を圧迫しています。
新型コロナウイルス感染症の再拡大：新型コロナウイルス感染症の再拡大は、消費者の支出を抑制し、サプライチェーンを混乱させています。

専門家の見解

経済アナリストは、この調査結果を受けて、日本経済は今後数ヶ月間、後退する可能性があると警告しています。

日本経済研究所の調査部長、竹内健氏は、「企業と消費者の両方の景況感が悪化しているのは懸念材料です。インフレやウクライナ戦争などの外部要因が、日本の経済成長に大きな影響を与えている」と述べています。

一方、内閣府は、この調査結果を過度に悲観的に捉える必要はないと主張しています。同府は、企業の設備投資や消費支出が堅調であると指摘し、経済は緩やかに回復すると見込んでいます。

しかし、専門家は、世界経済の減速、円安、新型コロナウイルス感染症の再拡大など、日本経済が直面する課題に注意を払う必要があると警告しています。