東京大学、免疫細胞が引き起こすCOVID-19の重症化機序を解明

東京大学がCOVID-19重症化のメカニズム解明

発表日: 2025年1月13日 10:00

東京大学は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）における重症化のメカニズムを解明したと発表しました。

研究内容

研究チームは、新型コロナウイルス感染症の重症患者と軽症患者の免疫細胞を比較しました。その結果、重症患者では「CD4+ T細胞」という免疫細胞が活性化されていることがわかりました。

CD4+ T細胞は、感染した細胞を攻撃したり、他の免疫細胞の働きを助ける免疫細胞です。しかし、重症患者ではこのCD4+ T細胞が過剰に活性化されており、逆に肺などの組織を攻撃していることが明らかになりました。

さらに、この過剰なCD4+ T細胞の活性化は、インターロイキン6（IL-6）という炎症性サイトカインの増加によって引き起こされていることもわかりました。IL-6は、ウイルス感染や免疫反応によって産生されるサイトカインで、過剰に産生されると肺の炎症を悪化させます。

重症化の抑制

この研究により、COVID-19の重症化を抑制するための新たな治療法の開発につながることが期待されます。例えば、CD4+ T細胞の過剰な活性化を抑制したり、IL-6の産生を抑える薬剤が開発されれば、重症化のリスクを低減できる可能性があります。

関連情報

東京大学プレスリリース: www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/press/
新型コロナウイルス感染症の重症化メカニズムの解明に関する論文: journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3001815

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