国立大学55工学系学部が二酸化炭素の有効活用技術を開発
国立大学55の工学系学部が共同で、二酸化炭素（CO2）の有効活用と再生可能エネルギーの貯蔵・輸送に関する画期的な技術を開発しました。このプロジェクトは、環境問題の解決と持続可能なエネルギーシステムの構築に大きく貢献することが期待されています。
ギ酸を使用した二酸化炭素の有効利用
開発された技術では、ギ酸を中間物質として使用することで、CO2を価値の高い化学製品に変換します。ギ酸とは、水素とCO2が結合した化合物で、燃料電池や水素キャリアとしての用途があります。
研究チームは、触媒を使用してCO2と水素をギ酸に変換する反応を最適化しました。この反応は室温・大気圧下で行うことができ、エネルギー効率も優れています。
再生可能エネルギーの貯蔵・輸送
ギ酸はエネルギー密度が高く、液体として貯蔵・輸送しやすいという特徴があります。このため、再生可能エネルギーをギ酸に変換することで、太陽光や風力などの間欠的なエネルギー源を安定的に貯蔵・利用することが可能になります。
具体的には、余剰の電力を利用して水を電気分解し、得られた水素とCO2をギ酸に変換します。その後、必要に応じてギ酸を分解し、水素とCO2を回収して燃料電池や発電に利用できます。
関連情報
- 55の工学系学部が参加するこのプロジェクトは、文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム（COI-NEXT）」の一環として実施されています。
- この技術は、自動車、航空機、発電所などの分野で、CO2排出削減やエネルギー効率の向上に役立つと期待されています。
- プロジェクトでは、ギ酸の大量生産、貯蔵、輸送に関する課題の解決も検討しています。
この開発は、二酸化炭素を環境汚染物質ではなく貴重な資源に変換する、持続可能な未来に向けた重要な一歩と言えます。
ギ酸を用いた二酸化炭素有効利用・再生可能エネルギー貯蔵輸送技術の開発
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