ホルモンと受容体で和牛の異常精液を判別
大阪公立大学は2025年1月7日に、和牛の異常精液をホルモンと受容体量から判別できる研究成果を発表しました。この研究は、但馬牛の種雄牛選抜法の改善と生産性の向上に貢献すると期待されています。
異常精液の判別法
研究では、精巣から発生するホルモンであるテストステロンとエストラジオール、およびこれらのホルモンと結合する受容体量の測定に注目しました。正常な精液では、テストステロンとアンドロゲン受容体の量が比較的多く、エストラジオールとエストロゲン受容体の量が少なくなっています。
異常精液では、これらのホルモンと受容体の量が逆転しており、テストステロンとアンドロゲン受容体の量が少なく、エストラジオールとエストロゲン受容体の量が多くなっています。研究者は、このホルモンバランスの崩れが精液の異常につながると考えています。
種雄牛の選抜と生産性の向上
この判別法を利用することで、異常精液の種雄牛を早期に選抜することが可能になります。これにより、生産性の低い牛の繁殖を防止し、子牛の生産性を向上させることができます。
また、この研究では、異常精液の種雄牛を改善するための介入策も検討しています。例えば、ホルモン補充や受容体量調節による治療により、精液の質を向上させることが期待されています。
関連情報
- 大阪公立大学プレスリリース：「和牛の異常な精液をホルモンと受容体量から判別 －但馬牛の種雄牛選抜法の改善や生産性向上に貢献－」 www.upc-osaka.ac.jp/news/2612/
- 日本畜産学会誌：「androR と estR の発現量に関連した但馬牛種雄牛の精液性状」 doi.org/10.2508/chikusan.2024.051
和牛の異常な精液をホルモンと受容体量から判別 －但馬牛の種雄牛選抜法の改善や生産性向上に貢献－
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