岐阜県で障害者虐待が深刻化、2023年調査で判明
岐阜県は2024年12月25日、「令和5年度における県内の障害者虐待の状況について」を公表しました。この調査によると、障害者に対する虐待の深刻な状況が明らかになりました。
増加する虐待件数、被害者の多くは知的障害者
調査によると、2023年度に県内で確認された障害者虐待の件数は199件で、前年度の161件から大幅に増加しました。虐待の形態別では、心理的虐待（43.7%）が最も多く、次いで身体的虐待（23.6%）、ネグレクト（22.6%）と続いています。
虐待の被害者は、知的障害者（52.8%）が半数以上を占めています。また、被害者の約4割が65歳以上の高齢者で、高齢化に伴う虐待が増加している可能性が指摘されています。
虐待加害者の状況
虐待加害者として確認されたのは、家族が7割近くを占めています。特に配偶者（29.6%）と親（21.6%）による虐待が多いのが特徴です。
深刻化する虐待の内容
調査では、虐待の内容も深刻化していることが明らかになりました。
- 身体的虐待では、殴る、蹴る、噛むなどの暴力行為が確認されています。
- 心理的虐待では、暴言、脅迫、名誉毀損などの行為が報告されています。
- ネグレクトでは、食事や身の回りのケアの怠慢などの行為が確認されています。
虐待の背景要因
岐阜県では、虐待の背景要因として経済的困窮や介護の負担を指摘しています。また、加害者の精神疾患や被害者の障害の重度化も影響している可能性があります。
対策の強化へ
岐阜県は、この深刻な状況を受け、障害者虐待対策を強化する方針です。具体的には、相談体制の拡充や支援ツールの整備、加害者に対する教育・啓発活動などを実施します。
県民一人ひとりが、障害者虐待の問題を認識し、虐待の早期発見・防止に協力することが重要です。虐待に関する情報や支援窓口については、岐阜県庁のウェブサイトを参照してください。
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