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東京大学、父親は顎の色を変えて口内の卵を隠して育てる ー口内保育する魚における「隠すための婚姻色」ー

東京大学が発見した驚くべき「婚姻色」

東京大学が2024年12月16日に発表した研究により、口内保育を行う魚であるシクリッドのオスに、口内の卵を隠すための特有の「婚姻色」が備わっていることが明らかになりました。

口内保育

口内保育とは、親魚が受精卵や孵化した仔魚を口の中に保護し、育てる繁殖行動です。シクリッドをはじめとするいくつかの魚種に見られ、親魚は口内の卵に酸素や栄養を与え、捕食者から守ります。

隠すための婚姻色

東京大学の研究チームは、口内保育を行うシクリッドのオスが、繁殖期になると顎の色が赤やオレンジ色に変化することに注目しました。この色が、口内の卵を隠す役割を果たしていることがわかりました。

シクリッドは、水中に産卵しますが、卵は捕食者に狙われやすいです。そこで、オスの顎の色が変化することで、口内の卵がより目立たなくなり、捕食者から守られるというわけです。

「隠すための婚姻色」のメカニズム

研究チームは、オスの顎の色変化が、メラニンの分布によるものであることを明らかにしました。メラニンは、皮膚や髪の色素として知られる色素です。

繁殖期になると、オスの顎ではメラニンが減少し、代わりにカロテノイドと呼ばれる色素が増加します。カロテノイドは、鮮やかな赤やオレンジ色を呈します。

婚姻色の重要性

「隠すための婚姻色」は、シクリッドのオスの繁殖成功に重要な役割を果たしていると考えられています。顎の色が鮮やかなオスほど、多くの卵を育て上げることができます。

この発見は、シクリッドの繁殖行動の理解を深めるとともに、他の口内保育を行う魚種にも同様のメカニズムが存在する可能性を示唆しています。


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